勝てば浦和と同組も…ACLプレーオフ目前の大邱FCが抱える「ブラジル人FWの沈黙」より重大な問題

2022年03月11日 サッカー #Kリーグ

韓国Kリーグ1(1部)の大邱(テグ)FCが、今季新たに就任したブラジル人のアレシャンドレ・ガマ監督の下、不安なスタートを切っている。

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大邱FCは、去る2月に開幕した2022シーズンのKリーグ1において、ここまで4試合を終えて1勝1分2敗と12チーム中10位に沈んでいる。5失点の数字は最多の城南(ソンナム)FC(6失点)に次いで多い。

チームの攻撃をけん引するFWセシーニャ(32)、FWエジガル(35)のブラジル人コンビが開幕から未だ無得点であることも悩みの種であるが、後方の不安を解消しない限り浮上のきっかけはつかめない。

(写真提供=韓国プロサッカー連盟)大邱FC

補強したはずの守備陣が…

イ・ビョングン前監督体制の昨季、大邱FCはリーグ戦38試合で48失点を喫した。全体で見ると失点の数は5番目に多かったが、それでもシーズンをクラブ史上最高順位の3位で終えた。

そして今シーズン、クラブ創設20周年の節目を迎えた大邱FCは、新たなスローガンに「Win-Now」を掲げ、冬の移籍市場で積極的な動きを見せた。特に注力したのが守備陣の補強だ。

まず、蔚山現代(ウルサン・ヒョンデ)から韓国代表左サイドバックのDFホン・チョル(31)を獲得すると、徳島ヴォルティスや京都サンガF.C.でも活躍し、昨季まで済州(チェジュ)ユナイテッドの守護神を務めたGKオ・スンフン(33)も迎え入れた。このほか、城南FCから右サイドバックのDFイ・テヒ(29)も獲得した。

(写真提供=韓国プロサッカー連盟)オ・スンフン

獲得した選手たちは、いずれも昨季に大邱FCの弱点とされたポジションだった。クラブは既存のDFチョン・テウク(24)、DFホン・ジョンウン(27)、DFパク・ビョンヒョン(28)、DFジョ・ジヌ(22)らセンターバック陣とともに、より厚みを増した守備陣で優勝に挑むという構想を抱いていた。

ところが、ホン・チョルが開幕2試合目にして足首の靭帯損傷で戦列を離れるアクシデントが起きた。復帰まで1カ月程度が懸かる見通しだ。ホン・チョルの離脱により、現在は同じく新加入の日本人MF鈴木圭太(24)が代わりに左サイドでプレーしているが、守備力はもちろん、良質なクロスを上げるホン・チョルの空白は想像以上に大きい。

(写真提供=韓国プロサッカー連盟)ホン・チョル

また、ガマ監督はここまでのリーグ戦4試合すべてで3バックのメンバー構成を変えている。対戦相手や試合状況によって顔ぶれが変わることはあり得るとはいえ、組織力が命のDFラインで頻繁に選手を入れ替えるとなれば、連携面に懸念を抱くしかない。

何より、大邱FCは勝利できなかった3試合すべてで先に失点を許している。そうなれば、自然とより攻撃的に試合をコントロールせざるを得ない。反面、相手はリードを得て余裕を持ちつつ、カウンターから一発を狙いに来る。

大邱FCのセンターバック陣はスピードに強みがあるわけではない。2失点で敗れた開幕戦のFCソウル戦、第4節の江原(カンウォン)FC戦を見ると、DFラインを上げて攻撃に集中した挙句、相手の素早いカウンターで守備を崩され、失点してしまうケースが見られた。

大邱FCは本日(3月11日)、ホームのDGB大邱銀行パークで行われるKリーグ1第5節で城南FCと対戦する。ここまで2分2敗と未だ勝利のない城南FCも、3バックをベースにしたカウンターが主な攻撃ルートだ。

そのため、仮に再び先に失点を許すことになれば、城南FCの引いた守備を崩すことは容易ではなくなる。

来る15日にはホームで行われるブリーラム・ユナイテッド(タイ)とのアジア・チャンピオンズリーグ(ACL)プレーオフを控える大邱FC。

勝てば浦和レッズ(日本)、山東泰山(中国)、ライオン・シティ・セーラーズFC(シンガポール)と同じグループFに入るが、それまでに守備面の不安を解消することはできるのだろうか。

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