シント=トロイデンと契約を解除して無所属状態だったFWイ・スンウ(23)の新天地は、韓国Kリーグ1(1部)の水原(スウォン)FCに決まった。
水原FCは12月3日、イ・スンウの獲得を発表した。
バルセロナ下部組織出身のイ・スンウは、かつて“韓国のメッシ”と呼ばれ将来を嘱望された有望株だった。韓国代表にも若くして選ばれ、2018年ロシアW杯では当時20歳ながら10番を背負い、同年のジャカルタ・アジア大会ではU-23韓国代表をけん引し、金メダル獲得に貢献した。
しかし、肝心のクラブキャリアでは、これまで在籍したエラス・ヴェローナ(イタリア)、シント=トロイデン(ベルギー)で思うような活躍を見せることができず、去る11月23日にシント=トロイデンと契約解除。長年過ごした欧州での生活にピリオドを打ち、自身初となるKリーグでプレーすることを決断した。
欧州でほとんど出場機会を得られなかったイ・スンウは、母国クラブへの入団を打診した。その過程で米メジャーリーグサッカー(MLS)や中東も候補に挙がったが、イ・スンウの故郷である水原市をホームタウンとする水原FCが関心を示し、積極的な交渉の末、移籍が決定した。
イ・スンウは水原FC加入に際し、「水原FCを通じて初めてKリーグのファンと会うことができると考えると感慨深い。チームにいち早く適応し、来シーズンに水原FCが名門クラブとなれるよう最善を尽くしたい」と意気込みを語った。
水原FCは2003年にセミプロの水原市庁サッカー団として創設され、2013年から現在のクラブ名に名称を変更してKリーグに参入した新興クラブ。
2020シーズンには元Jリーガーの北朝鮮代表FWアン・ビョンジュン(31、釜山アイパーク)や日本人MF石田雅俊(26、大田ハナシチズン)が在籍し、Kリーグ2(2部)の昇格プレーオフを勝ち抜いて5年ぶりに1部昇格を達成した。
今シーズンも昇格組ながら上位に食い込む健闘を見せ、ファイナルA(上位グループ)、ファイナルB(下位グループ)と6チームずつ分かれてのファイナルラウンドではクラブ史上初めてファイナルA入りを果たした。
チームを率いるのはシドニー五輪韓国代表キャプテンで元京都サンガF.C.のキム・ドギュンで、元鹿島アントラーズ、京都のイ・ジョンスが首席コーチを務める。
キャプテンは元横浜F・マリノス、ガイナーレ鳥取のDFチョン・ドンホ(31)。ほかにも、DFパク・チュホ(34/元水戸ホーリーホック、鹿島、ジュビロ磐田)、FWヤン・ドンヒョン(35/元セレッソ大阪、アビスパ福岡)、MFジョン・チュングン(26/元横浜FC、ファジアーノ岡山、FC町田ゼルビア)、DFキム・ボムヨン(31/元モンテディオ山形、サンフレッチェ広島、清水エスパルス)、GKユ・ヒョン(37/元栃木SC)と、元Jリーガーが多数在籍している。
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