日本人所属の韓国2部大田、監督は23年前の“日韓戦”で得点決めたイ・ミンソン! 1部昇格へ決意語る

2021年11月27日 サッカー #Kリーグ
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かつて京都サンガF.C.、SC相模原、ザスパクサツ群馬、アスルクラロ沼津に在籍した日本人MF石田雅俊(26)が在籍する韓国Kリーグ2(2部)の大田(テジョン)ハナシチズンを率いるイ・ミンソン監督には、“富士山”の異名がついて回っている。

【一問一答】石田雅俊が韓国で挑戦を続ける理由

というのも、イ・ミンソン監督は現役時代、1997年9月28日に国立競技場で行われたフランスW杯アジア最終予選での“日韓戦”で、劇的な逆転ゴールで韓国代表を勝利に導いた立役者だからだ。

当時、得点時に韓国の実況が「富士山が崩れています」と伝えたことが大きな話題となり、イ・ミンソン監督は今も“富士山”という異名で呼ばれている。

もっとも、イ・ミンソン監督は現在、“富士山”の異名より“昇格”を勝ち取ることを何よりも望んでいる。

悲願は目前だ。Kリーグ2を10チーム中3位で終えた大田は、プレーオフで4位の全南(チョンナム)ドラゴンズ、2位のFC安養(アニャン)を下し、Kリーグ1(1部)11位と対戦する昇降格プレーオフへと進出した。

昇降格プレーオフはKリーグ1のシーズン終了後、来る12月8日と12日にホーム&アウェーで行われる。そこで勝ち抜けば、大田は待望の1部昇格を果たす。

「“富士山”は選手時代のもの」

去る11月26日、トレーニング地の巨済(コジェ)で本紙『スポーツソウル』の取材に応じたイ・ミンソン監督は、「今年できなければ来年もできる保証はない。このチャンスを逃すことは愚かなことだ。選手たちにもそう話している。大田ハナシチズンとして再び創設された後、選手たち自ら歴史を築いていく過程にある。選手として栄光を享受してほしい」と、選手のためにも昇格を成し遂げなければならないことを強調した。

イ・ミンソン監督

これまで江原(カンウォン)FCや蔚山現代(ウルサン・ヒョンデ)、U-23韓国代表などでコーチを務めたイ・ミンソン監督は、2021シーズン前に大田の監督に就任。自身にとって初となる監督業の第一歩を踏み出した。

「私が監督を務める初のチームに大田を選んだ理由は昇格したかったからだ。“富士山”は選手時代のものに過ぎない。これからは私も指導者として何かを見せたい。結局のところ成績、結果だ。成績が出れば認めてくれるだろう」

もっとも、ここまでの過程は決して簡単ではなかった。「選手との意思疎通は自分が思っていたことと異なるものだった。今は選手たちが心を開いてくれていると感じている」というイ・ミンソン監督は、「選手たちは昨季途中にファン・ソンホン監督(現U-23韓国代表監督)が辞任したことに罪悪感を抱いていたようだ」と振り返る。

そして、「私は恩恵を受けた。ありがたかった。今は選手たちが上手くやってくれているので、より信頼できるようになった。序盤は選手たちを見ながら不安を感じていたが、今はまったくない。選手も今まで以上に切実になっている」と、前指揮官と選手に感謝の気持ちを表した。

石田の言葉で「我に返った」

チームが目覚めるきっかけもあった。それはほかならぬ石田のインタビューだ。

石田は以前、試合後のヒーローインタビューで「これまでのサッカー人生を振り返ると、自分は敗者だと思っています。それでも、こうして人生を変えられる試合がいくつもあります。いずれにしても、昇格のために人生を懸けます」と、通訳に頼らず自らの韓国語でコメントし、韓国国内で反響を巻き起こしたことがあった。

石田の言葉は大田の関係者も感動させた。「もしマサ(石田のKリーグでの登録名)が韓国人選手ならこれほど話題にならなかっただろう。日本人選手がたどたどしい韓国語で話をしたことに選手たちが刺激を受けた。私自身そうだった。選手があのようなことを考えているのに、監督として自分が恥ずかしかった。はっと我に返ったよ」とイ・ミンソン監督は言う。

(写真提供=韓国プロサッカー連盟)石田雅俊

大田を昇格可能な状況に導いたにもかかわらず、イ・ミンソン監督はKリーグ2の最優秀監督賞で候補にも選ばなかった。周囲では候補選出の過程に対し問題を投げかける声もあった。

それでも、イ・ミンソン監督は「賞のことはまったく考えていなかった。私の目標は優勝だったが、結局は3位に終わった。私ではなく優勝チームの監督が受賞することが正しいのだろう。(大田所属選手の)パク・ジンソプは知らせを聞いて“あっけにとられる”と言っていた(笑)。周囲はそんな話をしているが、私は気にしていない」と、個人タイトルよりもチームの成績が重要であることを強調した。

大田は11月7日のFC安養とのプレーオフを最後に、約1カ月の空白期間を挟んで、12月8日の昇降格プレーオフ第1戦を戦わなければならない。リーグ戦終了直後でコンディションの良い1部11位に対し、大田は実戦感覚の低下が避けられない悪条件でプレーオフに臨む必要がある。

イ・ミンソン監督は「心配はある。1カ月という長い期間が空くことは明らかに不利だ」としながらも、「Kリーグ1下位チームの試合はくまなくチェックしている。どこと戦っても簡単ではないことはわかっている。最後は雰囲気の戦いだ。自分たちのやりたいことをすることが重要だ」と力強く意気込んだ。

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