相手の分析は終了した。あとはどのようにして最適なメンバーを組むかだ。
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浦項(ポハン)スティーラースは11月24日(日本時間)、サウジアラビアのキング・ファハド国際スタジアムで行われるアジア・チャンピオンズリーグ(ACL)でアル・ヒラルと対戦する。
前回優勝した2009年以来12年ぶりに決勝進出を果たした浦項は、前身のアジアクラブ選手権含め通算4度目となるアジア制覇を狙う。
浦項はKリーグ1(1部)を確定した状態で、ACL決勝への準備に全力を注いだ。韓国プロサッカー連盟の技術研究グループ(TSG)も浦項を全面サポートしており、アル・ヒラルの分析内容をすでに伝えているという。
映像分析に長けたキム・ギドン監督もアル・ヒラルの試合を精密に分析。元フランス代表FWバフェティンビ・ゴミス(36)、元ブラジル代表MFアンデルソン・タリスカ(27)、ブラジル人MFマテウス・ペレイラ(25)、マリ代表FWムサ・マレガ(30)など前線の爆発力を警戒した。
キム・ギドン監督は出国前のオンライン記者会見でも、「前線は脅威だが、守備的な部分では弱点を露呈している。彼らのような選手たちをたくさん走らせたい」と明かしている。
課題はMFイ・スンモ(23)の空白をどう埋めるかだ。イ・スンモは兵役特例による奉仕活動時間不足により、現行の兵役法に伴いサウジアラビアに出国することができなかった。
本来のポジションは中盤だが、今季はチーム事情によりゼロトップの役割を担ってきたイ・スンモ。Kリーグでは33試合で1ゴールにとどまるも、ACLでは計3ゴールを記録。決勝トーナメントでは1回戦のセレッソ大阪戦、準々決勝の名古屋グランパス戦と2試合連続で得点していただけに、彼の欠場は浦項にとってあまりに痛い。
キム・ギドン監督は準備期間にさまざまなテストをしてきた。縦への突破力や爆発力に優れるコロンビア人FWマヌエル・パラシオス(28)を1トップに起用する案もあったが、出国前の強化試合で満足できる結果は得られなかった。
アル・ヒラルの攻撃力を削るには、前線からのプレスと積極的な守備参加が必要不可欠だ。キム・ギドン監督はさらなる代案をめぐって頭を悩ませている。
中盤の組み合わせも悩みの種だ。Kリーグでは長らくMFシン・ジンホ(33)とMFシン・グァンフン(34)がボランチのコンビを組んでいたが、直近では右サイドバックで主にプレーしていたDFパク・スンウク(24)をボランチに起用する変則的な采配も見られた。
結局のところ、シン・ジンホをどのポジションに起用するかがカギを握る。ボランチからボールの配球を担当することもできれば、トップ下で攻撃的なプレーをすることもできるシン・ジンホをどう配置するかによって、浦項の2列目の組み合わせは大きく変わる。
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