野球の本場メジャーリーグでアメリカン・リーグの年間MVPに輝いた大谷翔平。アジア人選手のMVP受賞は2001年のイチロー以来20年ぶりで、その快挙は韓国でも詳しく報じられている。
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その実力もさることながら人柄でも多くの人々を魅了している大谷だが、彼が人知れず交流していた小さな“翔平ちゃん”との軌跡が綴られた書籍『翔平選手と翔平ちゃん 奇跡のキャッチボール』(光文社)が話題だ。
同書は心臓の難病で1歳8か月で亡くなった川崎翔平ちゃんの母、川崎静葉さんの著書。それによると、“ふたりの翔平”の物語が始まりは2019年1月だったという。
2019年1月、日本に帰国していた大谷は、大阪の病院を訪れる。それは自分と同じ名前を持つ“翔平ちゃん”を励ますためだった。
「大谷選手のような強い子に育って、心臓病に克ってほしい」。翔平ちゃんの名前にはそんな両親の願いを込められていたのだ。
「あったかいね…」。たくさんのチューブをつけられた翔平ちゃんを抱きしめた大谷。2人の交流は、その場にいたすべての人々の心を温めた。
大谷のお見舞いが報道されたことで募金額も目標を達成したものの、渡米手術前に天国に旅立ってしまった翔平ちゃん。だが、その募金は、後に2人の幼い少女の命を救うこと……。
闘病、大谷との出会い、その後に起こった奇跡。翔平ちゃんの母・川﨑静葉さんが書き下ろした本書を読んで浮かんだのは、ベーブ・ルースの物語だ。
二刀流の元祖であるベーブ・ルースも、病床の少年にホームランを打つことを約束し、見事に成し遂げた逸話が有名だ。
大谷翔平もべーブ・ルースのようにファンを大切して勇気を与えてきたという逸話は、国を問わず多くの野球ファンたちの心に響くに違いない。
静葉さんは前書きでこう記している。
「大谷選手はきっとアメリカでも語り継がれる伝説になるでしょう。大谷選手のご活躍を祈りするとともに、私たち家族には、同じ名前の赤ちゃんが懸命に生きていたことを誰かに、ほんの少しだけでも覚えていてほしいという願いもあるのです。翔平の母、静葉」(前書きより)
なお、『翔平選手と翔平ちゃん 奇跡のキャッチボール』は、印税の一部を心臓移植を待つ子供たちを支援する団体に寄付するという。
メジャーリーグ史上に残る活躍を見せただけではなく、その人柄も愛されている大谷翔平の知られざるエピソードを共有することで、それが善行に繋がることも付け加えておきたい。
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