“12年前の優勝経験者”浦項キム・ギドン監督、ACL決勝進出に感無量「選手時代より…」【一問一答】

2021年10月21日 サッカー #ACL #Kリーグ

「監督として決勝進出できたことに感情がこみあげてくる」

【関連】なぜ韓国勢がACLで躍進しているのか

今シーズン一度も勝てなかった蔚山現代(ウルサン・ヒョンデ)を下し、アジア・チャンピオンズリーグ(ACL)決勝進出を果たした浦項(ポハン)スティーラースのキム・ギドン監督が、笑顔で思いを語った。

浦項は10月20日、全州(チョンジュ)ワールドカップ競技場で行われたACL東地区準決勝の蔚山現代との“東海岸(トンへアン)ダービー”で、90分を1-1で終え延長戦までもつれた後、PK戦で5-4と勝利。最後に優勝した2009年大会以来、12年ぶりに決勝へ駒を進めた。

来る11月23日にサウジアラビア・リヤドで行われる決勝では、西地区準決勝でアル・ナスルとの同国対決を2-1で制したアル・ヒラル(サウジアラビア)と対戦する。なお、浦項はすでに準優勝賞金200万ドル(日本円=約2億3000万円)も確保した。

(写真提供=韓国プロサッカー連盟)決勝進出に歓喜する浦項の選手たち

キム・ギドン監督は浦項の12年前の優勝メンバーでもある。選手時代に続き、指導者としてもACL決勝の舞台に立つことになった。「選手としてあの栄光の舞台に立てたときはとても良かった。ただ、監督として決勝に進出できたことに当時よりも感情がこみあげてきて嬉しい」と強調した。

この日、浦項はMFシン・ジンホ(33)とMFコ・ヨンジュン(20)の主力2人が累積警告により出場停止となった。そこで、キム・ギドン監督はキャプテンで左サイドバックのDFカン・サンウ(28)を変則的に活用したビルドアップで蔚山現代を追い込んだ。

しかし後半7分、GKイ・ジュン(24)がシュートの処理を誤ったところをFWユン・イルロク(29)に拾われ、先制ゴールを許した。

それでも、浦項は諦めずに蔚山現代に立ち向かった。後半22分、蔚山現代MFウォン・ドゥジェ(23)が危険なタックルで一発退場となり、浦項が数的優位に立つと、以降は怒涛の攻撃で敵陣に攻めたてる。

そして後半44分、セットプレーからDFアレックス・グラント(27)が値千金のヘディングゴールを決め、同点に追いついた。その後、延長戦でスコアは動かず迎えたPK戦、蔚山現代のGKチョ・ヒョヌ(30)に対し浦項はキッカー5人全員が成功。1人目のDFデイブ・ブルタイス(31)が失敗した蔚山現代を下し、決勝進出に成功した。

(写真提供=韓国プロサッカー連盟)選手と抱擁するキム・ギドン監督

「選手たちが誇らしい」

以下、キム・ギドン監督との一問一答。

―試合の感想は。

選手たちが誇らしくおめでとうと伝えたい。戦術に変化を与えたが、選手たちはよく理解して試合に臨んでくれた。はるばる浦項から来たファンの熱い応援が力になった。感謝したい。

―2009年に選手としてACL優勝を経験した後、12年ぶりに監督として優勝に挑戦することになったが。

選手としてあの栄光の舞台に立てたときはとても良かった。ただ、監督として決勝に進出できたことに当時よりも感情がこみあげてきて嬉しい。

―後半の劇的な同点ゴール以降、延長戦前に選手に注文したことは。

我々が1人多かったから急ぐのはやめようと伝えた。最初から空中戦に持ち込むより、自分たちのパターン通りにやろうと話した。

―昨年のFAカップでは蔚山現代にPK戦で敗れた。今回のPK戦を前にイ・ジュンに注文したことは。

今大会では試合前日に(PKの)練習をした。もちろん、あのこと(FAカップのPK戦敗退)も思い浮かんだ。当時負けたから、今回は我々が勝つべきではないかと思った。当時はチョン・ミングァンが足のけいれんで蹴れなかったが、今回はわざとキッカーを任せた。イ・ジュンは負担になると思い、GKコーチに(アドバイスを)任せた。

―カン・サンウを中心とした左サイドのビルドアップが印象的だった。序盤に雰囲気をつかみ、最後まで自信を持って攻撃できる動力となったが。

ビルドアップに変化を与えたことが効果的だった。(シン・)グァンフンと(イ・)スビンが3バックの前で動いた。一日で準備したが、(カン・サンウが)良い選手なので攻撃的に相手を難しくした。

―決勝に向けて改善すべき点は。

細かい部分が足りない。ボールを受けてから2~3分は所有しなければならない。ボール支配率に気を使わなければならないと思う。

―東地区代表として(決勝が行われる)サウジアラビアに行くことは予想できなかったと思うが。

選手時代から目標設定は現実的にしていた。実際、ACLを準備しながら「我々のスカッドではベスト16入れれば良い」と思っていた。ただ、ベスト16に入ってからは新しい目標を設定し、ここまで来ることができた。嬉しい反面、肩が重い。韓国のクラブを代表して決勝に行く。我々の地位をアジアに知らせたい。

―勝利後、落ち着いて相手のベンチに近づき握手を交わしていた。蔚山現代ホン・ミョンボ監督と交わした言葉は。

尊敬する先輩であり監督だ。勝ったが礼儀を守りたかった。ホン監督は「決勝でも頑張ってこい」と励ましてくれた。

―正GKカン・ヒョンムの負傷でイ・ジュンが起用されている。(失点時のミスなど)大舞台で良い経験ができたと思うが。

(イ・)ジュンは前回の試合でたくさんの自信を得た。ただ、少し負傷があった。我慢して試合を終えたことに感心した。おそらく、このような試合を通じて一段階成長したのではないだろうか。これからも前進し続けてほしい。

前へ

1 / 1

次へ

RELATION関連記事

RANKINGアクセスランキング

PHOTO写真

TOPIC「BTS」特集