新型コロナウイルス感染症の猛威が止まらない。よりによって、東京五輪を前に国内外で手の施しようがないほどに感染が広がっている。オリンピック2連覇を狙う野球韓国代表にも非常警報が出された。
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キム・ギョンムン監督率いる野球韓国代表が新型コロナの感染状況に神経をとがらせている。
というのも、去る7月19日にKTウィズ所属のコーチ1人が新型コロナ陽性と判定されたからだ。当該のコーチはすぐに自主隔離措置が下され、濃厚接触者と分類された選手団も全員がPCR検査を受けた後、自宅で待機している。
問題は、KTウィズ所属のコ・ヨンピョ(29)、ファン・ジェギュン(33)、カン・ベクホ(21)が代表チームに合流している点だ。
当該コーチは16日に悪寒が現れ、17日と18日の練習日には出席しなかったが、韓国野球委員会(KBO)は直ちに3選手を指定の病院でPCR検査を実施させた。19日は代表チーム練習が休みだったので、他選手との接触はなかった。幸いにもワクチン接種を終えていたこともあり、20日に陰性判定を受け、正常に練習を行った。
ひとまず胸をなでおろしたとはいえ、代表チームが新型コロナから解放されたわけではないのが実情だ。韓国ではすでに首都圏を中心に“第4次大流行”が本格化しており、拡散傾向は全国に広がる兆しを見せている。どこに行っても新型コロナの恐怖があるのだ。
選手たちも宿舎で生活しているが、いつどこで感染者と接触するかわからない。最近では変異株(デルタ株)の感染者も確認されており、ワクチン接種を終えた選手にも感染のリスクがある。特に、デルタ株は非変異ウイルスよりも伝播力が3.2倍も強く、集団感染の可能性は高い。
野球韓国代表の行き先である東京も同様だ。
1日の新型コロナ新規感染者の数は、去る20日から引き続き増加傾向にある。最近では拡大防止のため緊急事態宣言を発令しているが、その効果はいまひとつ。この1週間で陽性者の増加幅は45.4%と急激に伸びている。
オリンピック傘下のため来日した選手団の安全も脅かされている。国際オリンピック委員会(IOC)のユ・スンミン委員は、16日に韓国で実施したPCR検査では陰性だったが、翌日に日本の成田国際空港で受けた検査で陽性と判定された。
結局のところ、国内外のどこにも感染のリスクから逃れられる安全地帯はない。野球韓国代表は練習時にマスクを着用するなど、防疫に気を使っている様子だ。
2008年北京五輪に続きオリンピック2連覇を狙う野球韓国代表にとって、“安全”より大事なことはない。
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