韓国女子ツアーの2021シーズン初となるメジャー大会「CreaS F&C 第43回KLPGAチャンピオンシップ」(賞金総額10億ウォン=約1億円)が4月29日に開幕し、来月2日までサウスリンクスCC霊岩(ヨンアム)で行われる。
優勝賞金1億8000万ウォン(約1800万円)がかかった今大会には132人が出場。なかには、かつてトロフィーを掲げた当時の喜びをもう一度再現しようと、歴代優勝者32人のうち6人の選手が名乗りを上げた。
ディフェンディングチャンピオンのパク・ヒョンギョン(21)をはじめ、2019年王者チェ・ヘジン(21)や2018年王者ジャン・ハナ、2017年王者チャン・スヨン(26)、2012年王者チョン・ヒウォン(30)らがそろって参戦。
さらには、2014年に一度引退を表明も今シーズンから現役復帰したペ・ギョンウン(35)が唯一、2度(2001年、2005年)の優勝経験者として今大会に出場する。
特に、直近2大会いずれも準優勝と絶好調のジャン・ハナは、あと一歩届かずにいる“シーズン初勝利”を今大会で狙う。
今大会でジャン・ハナが優勝や2位タイに入ることができれば、韓国女子ツアー史上初めて生涯獲得賞金50億ウォン(約5億円)を突破した選手となる。
「タイトル奪還」、そして「歴代記録更新」の“二兎”を同時に得ることができるのか、ジャン・ハナのプレーに注目が集まっている。
注目すべき“新人王争い”も今大会から熱を増す見込みだ。
昨シーズンのドリームツアー(2部)で3勝を記録し、キム・ヒョージュ(25)やチェ・ヘジン、ユ・ヘラン(20)ら“怪物ルーキー”の系譜を継ぐものとされるキム・ジェヒ(20)は、早くも正規ツアーへの適応を終えた。
キム・ジェヒは開幕戦の「ロッテレンタカー女子オープン」こそ予選突破に失敗したものの、第2戦の「ネクセン・セントナインマスターズ2021」では9位タイに名を連ね、初のトップ10入りに成功している。
「ゼニガメ顔」と呼ばれるキュートな顔立ちで話題を集めたソン・ガウン(20)も、キム・ジェヒに劣らない勢いで新人王争いを盛り上げている。
ソン・ガウンも開幕戦こそ予選で脱落したが、第2戦ではキム・ジェヒを上回る5位でフィニッシュし、ここまで新人賞ポイントで1位に立つ。
また、もう一人の新人王候補キム・ヒジ(20)は、出場した2大会いずれも予選を通過して着実にポイントを稼ぎ、新人王争いでは3位タイに位置している。
第2戦では第3ラウンドまで12位タイにつけ、トップ10入りもの可能性もあったが、最終ラウンドでまさかの10オーバーを叩き出し、大幅ダウンの53位に終わった。
といっても、強風の吹き荒れた第3ラウンドで安定したショットを披露していたことから、「ルーキーらしくない」という“褒め言葉”で依然期待を寄せられている。
今大会が行われるサウスリンクスCCは、霊岩湖一帯の埋立地に造成されたために風の影響を強く受け、風速によってまったく異なるコースに変貌する。
昨シーズンは「2020ファントムクラシック」で穏やかな風が吹いたと思えば、「2020 HUEN CARE女子オープン」では強烈な突風が選手を苦しめた。両大会で本戦に進出した選手のうち、前者は51人がアンダーパーを記録したが、後者で生まれたアンダーパーはわずか19人だった。
開幕戦から続く強風は今大会でも選手を苦しめる見通しだ。韓国女子ツアーと提携している気象専門会社『ウェザーアイ』によると、今大会の予想最大風速は12メートルで、オーバーパーを多く生み出した「2020 HUEN CARE女子オープン」と同水準の強風が予想されている。
韓国女子プロゴルフ協会(KLPGA)によると、強風が吹く大会では長打者よりもショートゲームに長ける選手が良い成績を収めるという統計的な数値が出ているという。すなわち、平常通りの風速であればティーショットデータの優れる選手が有利となり、強風が吹けばショートゲームに強い選手の優勝やトップ10入りの可能性が高まる。
なお、今回の「CreaS F&C 第43回KLPGAチャンピオンシップ」は日本でもゴルフ配信サイト『スカイAゴルフLIVE』で配信される予定なだけに、“メジャークイーン”の座をかけた韓国女子ゴルファーの戦いを日本でも見守ってみてはいかがだろうか。
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