日本のJリーグのライバルである、韓国のプロサッカーリーグ、Kリーグは、近年積極的なeスポーツチーム活動を行っており、Kリーグのファンベースを拡大することを目標に掲げた「eKリーグ」を推進している。
このように、従来のスポーツとeスポーツの親和性は非常に高いと言える。
そして韓国には現役プロサッカー選手として活躍する一方、eスポーツの大会で優勝したKリーガーがいるのだ。
その人物はKリーグ1(1部)の仁川ユナイテッドに所属するGKイ・テヒだ。
1995年に忠清北道清州市(チュンチョンプクド・チョンジュシ)で生まれ、サッカーを始めた彼は、仁川ユナイテッドからのスカウトがきっかけで仁川大建(インチョン・テゴン)高等学校へと進学。
ユース年代から将来有望とされていたイ・テヒは、高校卒業と同時に仁川ユナイテッドでプロ選手となった。ユース時代も含めると仁川で10年も生活しており、現在はワンクラブマンとしてずっと在籍していたいと公言するほどチーム愛が強い選手だとか。
そして彼が優勝したeスポーツ大会だが、韓国プロサッカー連盟が主催する『FIFA Online 4』によるオンライン大会『Kリーグ・レンソン(LAN線、LANケーブル)・トーナメント』だ。実況には日本でもおなじみのアン・ジョンファンが参加していた。
この大会は開幕を控えた2021年のKリーグ前哨戦として、2月20日、21日の2日間にわたって開催され、Kリーグ1(1部)から7チーム(光州FC、水原三星ブルーウィングス、仁川ユナイテッド、蔚山現代FC、全北現代モータース、水原FC、済州ユナイテッドFC)、Kリーグ2(2部)から5チーム(富川FC 1995、全南ドラゴンズ、大田ハナシチズン、慶南FC、釜山アイパーク)が参加した。
イ・テヒはこの大会に仁川ユナイテッドの代表として出場。釜山アイパーク、水原FCの代表を次々と下し、決勝では慶南FCの代表を撃破。見事チャンピオンとなった。
特筆すべきは彼が見せたプレーだ。彼は実際のサッカーでGKとして活躍しているが、ゲーム内でもチームの最後尾には“自身”を起用。水原FC戦と決勝の慶南FC戦でPKを止めるビッグセーブを連発し、韓国では一躍時の人となったそうだ。
日本でも、Jリーグのeスポーツチームが戦う「eJリーグ」が発足し、2020年12月から2021年1月にかけて大会を催していた。
このように、実際のサッカー選手とサッカーゲームのコラボレーションは進んでいる。先日行われた“日韓戦”のような熱い戦いが、今後はサッカーゲームを通じても行われるかもしれない。
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