韓国代表、“アジア唯一”ワールドカップ予選無敗突破の舞台裏。空席目立つスタンドにイ・ガンインが警鐘も

韓国代表がアジア唯一の無敗で北中米ワールドカップ最終予選を終えた。

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韓国は昨日6月10日、ソウルワールドカップ競技場で行われたアジア最終予選の最終戦でクウェートに4-0で勝利。今予選を6勝4分で終了し、南アフリカ大会以来16年ぶりのW杯予選“無敗突破”を決めた。

前節のイラク戦勝利で11大会連続12回目の本大会出場を確定したこともあり、ホン・ミョンボ監督はFWソン・フンミン(トッテナム)やMFイ・ジェソン(マインツ)ら既存の主力をベンチに据え、MFイ・ガンイン(パリ・サンジェルマン)など若手中心のメンバーを送り出した。

その起用に応えるように、FWオ・セフン(FC町田ゼルビア)に代わって先発出場のFWオ・ヒョンギュ(ヘンク)が1ゴールを決めると、追加招集のMFペ・ジュンホ(ストーク)も2アシストとアピール。イ・ガンインも後半に鋭い左足シュートで追加点をマークするなど、持ち前のテクニックで韓国の攻撃をけん引していた。

韓国代表
(写真提供=OSEN)韓国代表

空席目立つ会場にイ・ガンイン“警鐘”

ただ、ゴールラッシュとなった試合内容の一方で、“盛り上がり”の面では多少の寂しさが残った。

韓国サッカー協会はW杯出場を記念し、クウェート戦を“祝祭の場”とするための催しを準備していた。来場者全員に韓国国旗デザインの応援ボードハリセンを配布し、選手入場時には韓国代表公式サポーター「レッドデビルズ」のトランペット演奏に合わせて応援歌を歌い、両国の選手を迎えた。

また、11大会連続のW杯出場とかけて、前半11分には「偉大な韓国代表」の意味を込めた「WE大韓」という文言のコレオグラフィーを実施。試合後にはオルタナティヴ・エレクトロバンド「Glen Check(グレンチェック)」による記念ライブも行う力の入れようだった。

ただ、約6万5000人収容のソウルワールドカップ競技場で、この日記録した入場者数は4万1911人。特に、上層スタンドでは空席が大きく目立った。加えて、電光掲示板でホン・ミョンボ監督が紹介された際には一部観客から野次が飛ぶなど、W杯出場の歓喜に水を差すような一幕もあった。

韓国代表
(写真提供=OSEN)

この光景に警鐘を鳴らしたのがイ・ガンインだ。彼は試合後の記者会見で「このような話をしてもいいかわかりませんが…」と前置くと、「多くの方が監督と協会を攻撃するなど、不快に感じている方がいらっしゃいます。ただ、僕たちも協会所属であり、監督は僕たちのボスです。あまりに批判をしすぎてしまうと、選手たちにもダメージがあります。ポジティブな部分を見てほしいです。それでこそ、ワールドカップの舞台でも上手く戦うことができると思います」と呼び掛ける。

また、その後のミックスゾーンでも「当然、ファンが批判しなければならない部分はしなければなりません。ただ、過度な批判は良くないという意味です。少しでもポジティブでなければチームは上手くいきません。僕らは“ワールドカップでも上手くやれる”という思いで戦ってきました。選手たちが力をもらえるように助けてほしい、そのような思いで伝えました。決して(批判する)ファンを攻撃するために言ったわけではありません」と世論に訴えかけていた。

イ・ガンイン
(写真提供=OSEN)イ・ガンイン

では、ホン・ミョンボ監督は同日のクウェート戦を終えて、報道陣に何を語ったのだろうか。試合後会見での一問一答は以下の通り。

“10年前の失敗”に言及も

―試合の感想は。

ファンの皆さんとメディアの皆さんに感謝したい。試合前、選手には「(アジア最終予選の)最終戦ではなく、ワールドカップ本大会進出後に挑む最初の試合だ」と伝えた。勝つことができて嬉しい。選手たちに「おめでとう、ありがとう」と伝えたい。

ホン・ミョンボ監督
(写真提供=OSEN)ホン・ミョンボ監督

―今後、若手の積極起用を予告したが、韓国の現在のFIFAランキングは23位で、(今年12月の)W杯組み合わせ抽選を考慮するとポット2とポット3の境界にいる。今後、抽選前まで親善試合でも(結果に関係なく)若手を試す計画なのか。

おっしゃる通り、親善試合の結果は重要だ。ただ、ワールドカップは1年後に開催される。そのときの選手の状況は誰にも予測できない。ただ、(若手が出場した)今日の試合はチームにとって大きな力になると思っている。9月と10月、そして来年まで親善試合が予定されているが、若手にも準備させなければならない。そうした点で、今日の彼らのパフォーマンスは私の想像を超えるものだった。まだベストメンバーは決まっていない。もちろん、チームを引っ張るベテランたちが主軸であり、これからもチームをけん引していくだろう。だが、それをサポートしてくれる強力な若手が出てくることが重要だと考えている。

―就任からもうすぐ1年が経過するが、これまでのプロセスを振り返って感じることは。

始まった頃と今とでは大きな違いがある。昨年9月から今年6月まで試合をこなしながら、選手の特性などを多く知ることができた。また、関係性についても十分に理解できた。韓国サッカーが今ある戦力でどの方向に進むべきか、ワールドカップ本大会ではどうすべきかという青写真を描く時間だった。重要なのは、来年6月にどの選手が良いパフォーマンスを維持しているかだ。(2014年ブラジルW杯で韓国代表監督を務めた)約10年前は、結果的にその部分を逃してしまった。(本大会の1年前に就任して)すべての選手をテストしたが、(時間が足りず)選択できる選手が限られていた。ただ、今回ははるかに多くの選手をチェックしている。

―ワールドカップ最終予選期間で最も嬉しかった瞬間と、最も大変だった瞬間は。

最も嬉しかった瞬間は、やはり前回のイラクとのアウェイゲームで本大会出場を決めた瞬間だ。大変だった瞬間をお伝えすることは難しい。いろいろある。試合に関することもあれば、それ以外の部分もある。正常な状況でできなかったこともあったが、それでも選手と一つの目標に向かって成し遂げなければならないという思いで、今日まで来られたのだと思う。

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