未成年者への性犯罪で韓国プロ野球「無期限失格」の懲戒処分を受けた元ロッテ・ジャイアンツ投手ソ・ジュンウォン(24)が、韓国独立リーグ入りを目指すもその道も閉ざされた。
ソ・ジュンウォンは最近、韓国の独立リーグ球団「龍仁(ヨンイン)ドラゴンズ」入団を進め、チーム内部でもすでに入団が確定し、公式な登録手続きに入っていた。
しかし、本紙『スポーツソウル』の取材によると、3月27日に韓国野球ソフトボール協会(KBSA)が選手登録を認めない決定を下した。
韓国の独立リーグはアマチュア野球に分類されるため、選手登録の際は国内のアマチュア野球を統括するKBSAの承認を得なければならない。
KBSA関係者は本紙の電話取材に「KBO(韓国野球委員会)とKBSAは“関係機関”だ。規定上、ある協会で除名された選手は、同じ種目の他の協会からも除名されなければならない。選手登録の受付を止めることはできないが、社会的物議を醸した選手を登録することはできない」としている。
これはKBSAの規定に基づいた措置だ。同協会の登録規定第9条「登録欠格事由」には、「性暴力犯罪で刑が確定した者」は選手登録が不可能だと明記されている。
ソ・ジュンウォンは2022年夏に未成年者の性搾取物を撮影及び流布した容疑で、同年末に立件されたことが2023年3月に明らかになった。その後、検察起訴とともに2023年9月の1審で懲役3年、執行猶予5年及び性暴力治療講義受講、就業制限命令を言い渡された。
本人は1審の結果を不服として控訴したが、2024年10月の控訴審でも原審が維持された。
この間、2024年5月に飲酒運転事故も起こし、批判は一層高まった。刑が確定した後、KBOは「選手無期限失格」の処分を決定。このため、ソ・ジュンウォンの韓国プロ野球復帰は事実上不可能となった。
ただ、そんなソ・ジュンウォンに龍仁ドラゴンズは入団の可能性を現在も残しているようだ。
球団代表は「ソ・ジュンウォンは“ただ野球がしたい”と言った。プレーできるチームもなく、環境も許されていないが、“最後にチャンスを与えてくれないか”と切実に訴えた。私まで背を向けてしまうのはあまりにも過酷だと感じた」とコメントしている。
もっとも、KBSAの判断は明確であり、社会的影響を重く見た上での決定だ。
「性犯罪者に野球は許されない」という原則の前で、ソ・ジュンウォンが独立リーグで再びマウンドに立つことは難しい。
なお、2000年11月生まれのソ・ジュンウォンは、幼い頃から将来を嘱望されてきた右腕サイドスローの有望株だった。2017年には慶南(キョンナム)高校2年ながら、U-18韓国代表の一員として「第28回WBSC U-18ベースボールワールドカップ」に出場した。
翌2018年には、宮崎県で行われた「第12回BFA U18アジア選手権」にも出場。侍ジャパンU-18代表との試合で8回途中から登板し、1.2回を1被安打2奪三振1四球に抑え3-1の勝利に貢献した。最終的に韓国は同大会で優勝し、ソ・ジュンウォンは「剛速球を投げるサイドスロー」として日本でも注目を浴びた。
その後、ドラフトでロッテの指名を受け2019年にプロ入り。2020年12月に6歳年上の女性と結婚し、2021年11月には第一子となる息子も誕生したばかりだったが、今回の騒動で妻とも離婚。球界もほぼ“追放状態”となっている。
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