未成年者に関する性犯罪でチームを退団した元ロッテ・ジャイアンツの投手ソ・ジュンウォン(22)の凋落がとどまるところを知らない。
「チェ・ドンウォン賞」を主催する社団法人チェ・ドンウォン記念事業会は3月27日、「元ロッテ投手ソ・ジュンウォンの第1回高校チェ・ドンウォン賞受賞を剥奪することに決めた」と発表した。
「チェ・ドンウォン賞」とは日本の「沢村賞」や米メジャーリーグの「サイ・ヤング賞」に相当する賞で、2014年から始まった韓国プロ野球KBOリーグの最優秀投手賞のこと。
今回ソ・ジュンウォンが剥奪された「高校チェ・ドンウォン賞」は、2018年に新設された高校野球の最優秀投手賞だ。
ソ・ジュンウォンは現在、未成年者に関する性犯罪で検察の調査を受けている。
釜山(プサン)地検女性児童犯罪調査部は、児童・青少年の性保護に関する法律違反(性搾取物製作配布など)などの疑いでソ・ジュンウォンを在宅起訴した。ソ・ジュンウォンは未成年者から身体の写真を受け取り、“性搾取物”を製作していたのだ。
この事実を確認したロッテはすぐに懲罰委員会を開き、ソ・ジュンウォン放出を決定した。
ロッテは去る23日、「ソ・ジュンウォンが未成年者を対象にした犯罪行為で警察の調査を受け、検察に移管されていることを確認し、すぐに懲戒委員会を開いた。球団は検察の起訴可否と関係なく、最高レベルの懲戒である退団を決めた」と伝えていた。
今回の騒動をめぐっては、韓国野球委員会(KBO)も事態を重く受け止めており、「犯罪事実が正しいと判断し、項目によって懲戒水準を決める」と重懲戒を示唆している。
そこにチェ・ドンウォン記念事業会も加わった形だ。同事業会のカン・ジンス事務総長は、ソ・ジュンウォンの「高校チェ・ドンウォン賞」剥奪の経緯について次のように伝えている。
「ソ・ジュンウォンが犯した行為が根本的に深刻で、反人倫的だと判断した。理事陣及び事業会関係者全員が大きな衝撃を受けた」
「チョ・ウヒョン理事長を含む7人の理事陣の満場一致で、ソ・ジュンウォンの第1回高校チェ・ドンウォン賞受賞の剥奪を決定した」
去る2018年11月に行われた「高校チェ・ドンウォン賞」の授賞で、2人の初代受賞者のうちの1人がまさに慶南(キョンナム)高校のソ・ジュンウォンだった。当時、ソ・ジュンウォンには300万ウォン(日本円=約30万円)、慶南高校には支援金200万ウォン(約20万円)が授与された。
カン・ジンス事務総長は「今後も社会的悖倫犯罪と重犯罪を犯した受賞者に関しては、高校チェ・ドンウォン賞とプロのチェ・ドンウォン賞を選ばず、受賞剥奪と関連して理事会の議論を経るつもりだ」と説明した。
また、「理事陣が満場一致で決める際、ソ・ジュンウォンの件のように左顧右眄せず受賞剥奪を発表する」と強調した。
2000年11月生まれのソ・ジュンウォンは、幼い頃から将来を嘱望されてきた右腕サイドスローの有望株だった。2017年には高校2年ながら、U-18韓国代表の一員として「第28回WBSC U-18ベースボールワールドカップ」に出場していた。
翌2018年には宮崎県で行われた「第12回BFA U18アジア選手権」にも出場。侍ジャパンU-18代表との試合で8回途中から登板し、1.2回を1被安打2奪三振1四球に抑え3-1の勝利に貢献した。最終的に韓国は同大会で優勝しており、ソ・ジュンウォンは日本でも「剛速球を投げるサイドスロー」と注目を浴びた。
その後、ドラフトでロッテの指名を受け2019年にプロ入り。2020年12月に6歳年上の女性と結婚し、2021年11月には第一子となる息子も誕生していた。
そんななか、韓国球界を揺るがす性犯罪を犯してしまったことで、2023年WBC(ワールド・ベースボール・クラシック)の惨敗で落胆する国内の野球ファンをさらに失望させることになってしまった。
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