感情的な指摘行為は、むしろ逆効果を生む恐れがある。
韓国サッカー協会(KFA)のチョン・モンギュ会長とサッカー韓国代表のホン・ミョンボ監督は本日(9月24日)、国会の文化体育観光委員会の懸案質疑会議に証人として出席している。
2人のほか、KFAのイ・イムセン技術委員長、国家代表戦力強化委員会の前委員長チョン・ヘソン、前委員パク・チュホも出席し、韓国代表監督の選任過程に関する内容を明らかにするものとみられる。
懸案質疑で取り上げられる話題は大きく2つに分けられる。
まずは、KFA会長職の4期目続投を目指すチョン会長の会長選立候補の正当性に関する追求だ。2013年からKFA会長を務める同氏は現在、再選に向けて動いていると見られている。
今年5月にはアジアサッカー連盟(AFC)の執行委員に当選し、最近では韓国国内で自叙伝『サッカーの時代』(原題)を出版した。
問題は、チョン会長が4期目続投に挑戦するほど肯定的な評価を受けていないという事実だ。すでにサッカー界やスポーツ界を越えて、政界でもチョン会長の再選に反対する声が上がっている。
文化体育観光部のユ・インチョン長官が「最近の国民世論を聞けば、むしろ自ら去就を決めることが私は名誉ではないかと思う」と堂々と話したほどだ。
国会でも、チョン会長の再選に関する質疑が出るものとみられる。この過程で、チョン会長体制で協会が起こした失策などが具体的に指摘されることになれば、チョン会長の4期目挑戦にブレーキがかかることになるだろう。
対するKFAとチョン会長も、懸案質疑で予想される質問などを確認し、国会の出席に向けて準備しているという。再選に挑戦しようとするチョン会長と、これに反対する国会の対立が予想される。
ホン監督の選任過程も、懸案質疑を通じて再確認されるものと見られる。
特に、五輪で金メダル4個を獲得した元射撃選手で、現在は韓国与党「国民の力」に所属するチン・ジョンオ議員が、この部分を積極的に解明しようとしている。
チン議員は「ホン・ミョンボ監督選任過程が公正ではなかったという内部情報提供があった」とし、「資料と証拠を基に、24日の聴聞会で問題提起しようと準備している。韓国サッカー協会は明らかに問題がある。証人もいる」と予告した。
もっとも、確固たる根拠や証拠もなく、感情的な主張で相手の恥をかかせることに躍起になるのであれば、チョン会長の再選やホン監督の選任過程を正確にして期することは難しいかもしれない。
国会議員のスポーツ分野に関する専門性は相対的に劣るという懸念を受けている。
実際の事例もある。
元中日ドラゴンズ投手のソン・ドンヨル氏が2018年ジャカルタ・アジア大会で野球韓国代表監督を務めた際、優勝メンバーの一部選手に対し「兵役免除のための“請託人選”があったのではないか」として国会の国政監査に証人として出席。ただ、尋問で一部の議員が本質とかけ離れた質問をするなど、専門性が欠如した姿を見せて物議を醸した経緯がある。
チョン会長の4期目挑戦をストップさせ、ホン監督選任過程の問題を明確に指摘するためには、国会内部でも専門的な視線と分析が必要だ。
感情任せや推測による批判ではなく、明確な根拠に基づいてこそ、指摘も説得力を得ることができる。
懸案質疑を通じて国会が明確な成果を得るためには、議員一人ひとりが多くの準備と勉強を事前にしておかなければならない。
(構成=ピッチコミュニケーションズ)
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