日本のJリーグでは1990年代から2000年代初頭まで、“韓国人Jリーガー”の活躍で賑わっていた。ファン・ソンホンが1999年の得点王に輝いたことをはじめ、ホン・ミョンボ、ユ・サンチョル、ノ・ジョンユン、ハ・ソッチュ、キム・ドフンなど韓国代表のスター選手がJリーグでプレーした。2000年にはゴールキーパー以外のすべてのポジションに韓国人選手がプレーする珍しい風景が広がりながら、「Jリーグは韓国人選手のエクソダス(大脱出)」という言葉まで出ていた。
その後も日本でプレーする韓国人選手は少なくなかったが、近年は韓国代表の主力選手がヨーロッパに挑戦する流れが定着し、さらに中国市場が参入したことで、韓国人選手のJリーグラッシュは収まった。一時は、Kリーグ経験のない若手選手がJリーグでプロデビューする現象が顕著になったりもした。
しかし最近になって、再び韓国人Jリーガーの存在感が高まっている。
代表的なのは、昨年半ばにガンバ大阪のユニフォームを着ることになったストライカー、ファン・ウィジョだ。今季はアジア大会出場で1カ月以上チームから離れていたが、リーグ15ゴール(26試合)で得点ランキング3位の活躍。何よりもファン・ウィジョの活躍は、ガンバの降格圏脱出に貢献したという点で、なおさら価値がある。ファン・ウィジョはアジア大会後、6試合連続でゴールを決めており、その期間にガンバも6連勝して9位に上昇。J1残留を決めた。
(関連記事:ガンバ大阪でもゴール量産。韓国代表で信じられるFWはファン・ウィジョだけだ)
Jリーグ上位のチームでも韓国人選手の活躍は顕著だった。
GKチョン・ソンリョンは川崎フロンターレのリーグ2連覇を導いた。またGKクォン・スンテと韓国代表DFチョン・スンヒョンがいる鹿島アントラーズは、ACL優勝を果たし、リーグでも3位を走っている。GKク・ソンユンが全試合先発出場したコンサドーレ札幌も、鹿島に1勝差の4位で、ACL進出(3位)を狙っている。5位のFC東京では、韓国代表から永久追放となったチャン・ヒョンスがキャプテンを務めた。そのほかセレッソ大阪のGKキム・ジンヒョンなど、数多くの代表クラスの選手がJリーグで活躍し、第2の韓国人Jリーガー全盛期を築いている。
そんななか去る11月13日、日本サッカー協会(JFA)ハウスで各クラブの社長らによる実行委員会が開かれ、来季からの外国人枠拡大について話し合いが行われた。現行の3人からJ1は5人に、J2とJ3は4人に拡大される。
外国人選手の出場枠が増えることで、韓国人選手への影響も少なくないと見られている。
とあるエージェントは「私たちが担当しているいくつかの選手も日本市場を注視している。日本でも、韓国人選手はコストパフォーマンスが良いとの考えが多く、有利な点が多い」と話した。一方で、国籍に関係なく外国人枠が拡大されると、アジア枠で良い待遇を受けた韓国人選手の立場は不利になるとの見方もある。別のエージェントは、「アジア枠というメリットがなくなるため、代表クラスの選手でなければ以前ほどの待遇を受けることができない可能性がある」と述べた。
前へ
次へ