かつて複数のJクラブを渡り歩いた元韓国代表DFが、34歳で母国Kリーグ・デビューを果たした。今季から蔚山(ウルサン)HD FCでプレーするファン・ソッコのことだ。
大邱(テグ)大出身のファン・ソッコは2012年にサンフレッチェ広島でプロデビュー。以降、2017年に中国スーパーリーグの天津泰達でプレーしたのを除いて、昨季までJリーグでのみ選手生活を続けた。
2012~2014年は広島、2015~2016年は鹿島アントラーズ、2018~2020年は清水エスパルス、2021~2023年はサガン鳥栖に在籍。広島で2度のJ1優勝(2012、2013年)と2度のスーパーカップ優勝(2013、2014年)を果たし、鹿島でもヤマザキナビスコカップ優勝(2015年)、J1優勝(2016年)、天皇杯優勝(2016年)と多くのタイトルを獲得した。
海外で選手生活を長く続けられた原動力は、2012年ロンドン五輪でU-23韓国代表としてプレーしてからだ。
当時のU-23韓国代表を率いたのが、現在の蔚山を指揮するホン・ミョンボ監督。ファン・ソッコは守備陣の主力として全試合出場を果たし、韓国サッカー史上初の銅メダル獲得に貢献、兵役特例の恩恵も受け取った。
そんなファン・ソッコは今回、ホン・ミョンボ監督に呼ばれ、34歳という年齢でKリーグの舞台に飛び込むことになった。
いくら経験豊富なベテランとはいえ、スピーディかつプレッシャーも強力なKリーグに適応することは簡単ではない。
ただ、ファン・ソッコは違った。2012年ロンドン五輪、さらにはA代表として2014年ブラジルW杯でも指導を受けたホン・ミョンボ監督の意図をすぐさま理解し、早くも守備の中核に生まれ変わった。
Kリーグ開幕前に行われたヴァンフォーレ甲府とのAFCチャンピオンズリーグ(ACL)決勝トーナメント1回戦でも、まるで蔚山で長年プレーする選手かのように守備を陣頭指揮し、チームの勝利に貢献していた。
3月1日、本拠地の蔚山文殊(ウルサン・ムンス)サッカー競技場で行われたKリーグ1開幕戦、浦項(ポハン)スティーラーズとの“東海岸ダービー”でも、その存在感は変わらなかった。
Kリーグ・デビュー戦であり初のダービーマッチでありながら、鉄壁の守備を90分間披露し続けた。
ファン・ソッコはチーム内最多のクリア回数7回をはじめ、ボール奪取10回、インターセプト2回などを記録。パス成功率は90.9%で、アタッキングサードへのパスは2回とも成功、中距離パスも37回中36回成功させた。
クラブ初のKリーグ1部3連覇へ、蔚山のファン・サポーターの間では早くもファン・ソッコを「今季最高の補強」と口をそろえて絶賛している。
ファン・ソッコは本紙『スポーツソウル』を通じて、「(海外で)やってきた通りプレーしようと努力している。韓国に来たことは自分にとって大きな変化であり、決心であることは確かだ。(Kリーグ移籍を)選択した大きな理由は、母国である韓国のファンと家族の前で自分のサッカーを見せたかったから」と伝えた。
そして、「2024年の蔚山がまた新たな歴史を築くことができるよう、自分のポジションでチームのために貢献していきたい」と、今後のさらなる活躍を誓っていた。
(構成=ピッチコミュニケーションズ)
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