最悪の結果を迎える危機に直面した。
コリン・ベル監督率いる韓国女子代表(FIFAランキング17位)は、現在行われているオーストラリア&ニュージーランド女子W杯でのグループステージが事実上確定した。
ドイツ(同2位)、コロンビア(同25位)、モロッコ(同72位)と同じグループHに入った韓国は、グループ第1節でコロンビアに0-2で敗れ、第2節でもモロッコに0-1で敗れた。
韓国は今大会、出だしからつまずいた。必ず勝たなければならなかったコロンビア相手に“2度のミス”を犯し、なすすべなく崩壊してしまった。
コロンビア戦、試合序盤までは主導権を握っていたが、ペナルティエリア内のハンドによるPKで先制点を許すと、GKユン・ヨングル(35)のセーブミスで痛恨の2失点目を喫し、初戦を終えて早くも崖っぷちに立たされた。
ベル監督はコロンビア戦後、選手たちのパフォーマンスについて「チャンスを演出したが、決定機でゴールを決められなかった。それだけ我々が上手くできなかった。これがワールドカップであり、国際的な女子サッカーのレベルだ。これが現実だ。我々はドリームランドに住んでいるわけではない」と強く批判した。
そんななか、GKリュ・ジス(25)が練習中に足首の靭帯を断裂する重傷を負い、チームを離脱するアクシデントが起きた。
リュ・ジスはチーム内で第3GKという立ち位置ではあるものの、選手の不意の負傷離脱は雰囲気に多大な影響を及ぼした。
後がない状況で、やはり勝利しなければならなかったグループH“最弱体”のモロッコにも、韓国は白星を挙げられなかった。
この日も試合前からアクシデントが発生した。本来、先発出場予定だったDFイム・ソンジュ(32)がウォーミングアップ中に突然ふくらはぎの痛みを訴え、プレーが不可能となった。
前日練習まで問題なくプレーしていたイム・ソンジュの負傷に、現場のスタッフたちは皆当惑を隠せなかった。このため、急きょDFシム・ソヨン(34)が先発投入されるなど戦術・戦略の修正が避けられず、慌ただしい状況のなかで試合開始のホイッスルが鳴った。
そして、前半5分に先制点を許し、早々にリードを奪われる展開となった。コロンビア戦と異なり、身長180cmの長身FWパク・ウンソン(36)を最前線で先発起用する勝負に出たが、力不足だった。
結局、アラブ圏国家としては史上初めて女子W杯本大会に出場したモロッコの歴史的な大会初ゴールと初勝利の犠牲になった。
ベル監督がこの4年間で叫んでいた「高強度」のスローガンがかすむようだった。
大会前までの雰囲気は上々だったが、すべてが食い違った。ベル監督はモロッコ戦の間、虚しい表情で試合を見守っていた。情熱的にピッチ上の選手に指揮していた以前と違って、固い表情でベンチに座っていた。
モロッコ戦の裏でコロンビアがドイツを破る異変を演出したことで、韓国は決勝トーナメント進出への“わずかな希望”を残したが、不可能に近い奇跡を望まなければならない境遇に追い込まれた。
来る8月3日のグループステージ最終節では、コロンビアがモロッコに勝利したうえで、韓国はドイツ相手に5点差以上の大勝を収めなければならない。
だが、これまでの2試合で1点も決められていない韓国が、最終節で大量得点を挙げるのは不可能に近い。
MFチ・ソヨン(32)やMFチョ・ソヒョン(35)などの“黄金世代”を中心に、2大会ぶり2回目のベスト16入りを目指してW杯に臨んだ韓国。
だが、その結末は3戦全敗で早々に荷造りをした前回の2019年フランス大会同様、“悪夢”で終わることになるかもしれない。
(構成=ピッチコミュニケーションズ)
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