4人の今大会での成績は、クァク・ビンが2回自責点3、キム・ユンシクが0回自責点3、チョン・チョルウォンが1.1回自責点1、ソ・ヒョンジュンが3.1回自責点2だ。
単純な成績の向こう側には、制球乱調で数球のみ投げて降板した姿もあれば、約4万6000人の観客が詰めかけた“日韓戦”で、東京ドームの満員観衆の重圧感に耐えられなかった姿もある。
所属チームでは若くして先発の一角に定着し、KBOを代表する投手として活躍していた姿とは大きな差だった。
理由は何だろうか。韓国の2023年WBCが終わった直後、「投手陣の乱調はWBC公認球への適応による問題なのか」という報道陣の質問に対し、今大会で6回9奪三振の自責点0と好投したパク・セウン(27、ロッテ・ジャイアンツ)が自身の見解を伝えた。
「公認球適応というよりは、若手のなかにはこのような国際大会の経験が多くなかった選手もいますし、あれだけの大観衆の前で投げるということ自体が簡単ではないことを同じ選手としてよく理解しています。そのため、公認球というより、経験を積み重ねていけば、選手たちも良いピッチングができるのではないかと思います」
つまり、国際大会の経験や満員の観衆の前で投げるという経験の不足が、本来の実力を発揮するのに足を引っ張ったというわけだ。
もちろん、経験不足だけを追求するには物足りなさの残るパフォーマンスだった。与えられた条件はほかの出場国も同じだったからだ。
しかし、今回の代表投手陣の“未熟さ”は確かに浮き彫りになった。原因にはさまざまな理由があると思われるが、コンディション調整の失敗や大一番に対する負担感、心理的な萎縮などが大部分を占めているだろう。
“日韓戦”が象徴的だったが、韓国の選手は日本の選手との“神経戦”の時点で押されていた。
特に6回途中から登板したキム・ユンシクは、無死一、三塁の状況でラーズ・ヌートバー(25、セントルイス・カージナルス)を打席に迎えると、2球目がすっぽ抜けてヌートバーの背中に当ててしまう。
すると、ヌートバーは日本が優位の状況でもキム・ユンシクの方を睨みつけた。その後、キム・ユンシクの制球はさらに乱れ、四球押し出しで追加点を与えて降板した。
国際大会は若手の経験を積ませるために用意された大会ではない。
それでも、将来が期待される4人の投手は今回のWBCで苦い経験を味わった。それを滋養分として大きく成長し、3年後に開かれる2026年WBCでは投手陣の主軸として活躍してくれることを期待したい。
(構成=ピッチコミュニケーションズ)
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