韓国Kリーグ伝統のダービーである“スーパーマッチ”で一部サポーターが相手ファンを集団暴行したとし、水原三星(スウォン・サムスン)ブルーウィングスのサポーター団体が謝罪した。
6月19日、水原ワールドカップ競技場で行われたKリーグ1(1部)第16節の水原三星対FCソウル。
アウェーのFCソウルが1-0で勝利したこの試合は、1万2922人の観客が来場。今回で通算97回目の開催、「Kリーグで最も熾烈なダービーマッチ」と呼ばれる“スーパーマッチ”とあって両チームの応援の熱気は激しかったが、スタジアムの外ではファン同士のトラブルもあった。
試合前、水原三星のユニホームを着たファンと見られる集団が、FCソウルのユニホームを着た一人のファンに対し集団暴行を加える場面が捉えられたのだ。
当時は暴行を受けたFCソウルのファンがユニホームを脱ぎ、逃げ去ったことでその場は終結した。ただ、SNSやネット上のコミュニティを通じて映像が拡散されたことで議論が広がった。
何より、映像では周囲に水原三星のファンが多くいたにもかかわらず、集団暴行を制止するはおろか、応援歌を歌ったり両手を広げたりするなど、歓呼している様子が映し出されていただけに、その衝撃は大きかった。
結局、水原三星のサポーター団体「FRENTE TRICOLOR(フレンテ・トリコロール)」は21日、公式SNSを通じて謝罪文とともに、加害者本人、加害者の母親の直筆の謝罪文を掲載した。
「FRENTE TRICOLOR」は「不適切な件が発生したにもかかわらず、事実確認のため立場表明が遅れてしまった点について謝罪申し上げます」とし、「6月19日、水原ワールドカップ競技場の外部で発生したFCソウルサポーターとの事件に関して、当事者及び両クラブ関係者、サポーターの方々にお詫び申し上げます」と謝罪。
「また、この状況を遠くから伝え聞き、より残念な気持ちを抱いた当事者のご家族にもお詫び申し上げます」とし、「当該の人員はFRENTE TRICOLORの“パンダウォン(掛け声をする応援チーム)”として活動中であり、事実を確認後、すぐに当該の活動から排除しました」と伝えた。
最後に、「FRENTE TRICOLORとしても、団体のレベルで今回の事件を未然に防止できなかった点をもう一度深くお詫びいたします。今後、このようなことが二度と発生しないよう、多くの努力と神経を傾けるようにいたします」とし、「改めて、ご心配をおかけした当事者及びご家族、両クラブ関係者、サポーターの方々に心より頭を下げ、お詫び申し上げます」と伝えた。
また、加害者は直筆の謝罪文で「理由如何を問わず、このような不適切な件が起きたことに対し、被害者の肩とそのご両親にもう一度心より謝罪申し上げます」とし、「暴行やケガをさせる意図はまったくありませんでした。スタジアムの外で応援歌を歌っている最中、一緒に“ジャンピング”をしようと持ち上げましたが、その方を落として倒してしまいました」と当時の状況を説明。
続けて、「すぐに謝罪をし、当日、被害者の方のお父様とビデオ通話で今回の件が生じた過程を申し上げ、丁重に謝罪申し上げました。二度とこのようなことがないようにするとお伝えいたしました」とし、「理由を問わず、このようなことが発生したことについて深く反省し、心から許しを求め謝罪いたします」と伝えていた。
なお、サポーターがトラブルを起こした水原三星は、名古屋グランパス所属の元日本代表MF齋藤学(32)の加入が噂されている。
前へ
次へ