「天野さんも日本代表も、僕は意識していません」
蔚山現代(ウルサン・ヒョンデ)との通算106回目となる伝統の一戦、“現代家(ヒョンデガ)ダービー”で大活躍を披露した全北現代(チョンブク・ヒョンデ)モータースのMF邦本宜裕(24)は、至って淡々とした表情で話していた。
邦本は6月19日、アウェーの蔚山文殊サッカー競技場で行われたKリーグ1(1部)第16節の蔚山現代戦で2ゴールを記録し、チームを3-1の完勝に導いた。
試合序盤から前線でのプレスに加わり、蔚山現代のビルドアップを制御した邦本は、攻撃時に左足からの鋭いキックで相手を脅かした。
全北現代が1-0とリードした前半20分、MFペク・スンホ(25)のパスを受けた邦本は、ペナルティエリア正面で相手選手3~4人を次々とドリブルで交わし、最後は左足シュートでゴールネットを揺らした。
その9分後の29分には、中盤でMFモドゥ・バーロウ(29)のパスを受けると、ゴールに向かって真っすぐドリブル突破。目の前にはDFキム・ヨングォン(32)、DFイム・ジョンウン(32)の両センターバックが立ちはだかったが、GKチョ・ヒョヌ(30)が前進したのを見て、GKの頭上を越えるチップキックシュートで自身2点目をマークした。
ダービーマッチ勝利に貢献した邦本について、キム・サンシク監督は「最近のビデオミーティングで、無駄に下に降りてボールを受けることや、ポジショナルプレーができていないこと、パスミスの場面などを振り返った。それを通じて改善されたようだ」と語った。
これに対し、邦本は試合後記者会見で「ビデオを見て守備時の意識、またミスを減らすことを研究しました。今日の試合も1~2回ミスはありましたが、得点することができて嬉しいです」と満足げな表情を見せた。
蔚山現代で大活躍中のMF天野純(30)との“日本人対決”を制したことも、邦本にとっては大きな成果のはずだ。
もっとも、邦本自身は「(天野の活躍を)特別に気にしたり、ストレスを感じたりすることはありません。天野さんは得点も上手くてスコアポイント(ゴール+アシスト)が多いのは事実ですが、それほど気にしているわけではありません」と述べた。
また、日本代表招集を期待される声については、「今シーズンは得点やアシストが少ない状況です。それに、試合に出場できなかった期間もありました。日本代表についても特に気にしていません」と強調した。
そんな邦本が所属する全北現代は、今回の勝利で勝ち点を28に伸ばし、首位の蔚山現代(勝ち点36)との差を8ポイントに縮めた。2位の済州(チェジュ)ユナイテッドとはわずかに1ポイント差だ。
来る22日に行われるKリーグ1第17節では、ホームの全州(チョンジュ)ワールドカップ競技場で水原三星(スウォン・サムスン)ブルーウィングスと対戦する。
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