W杯を上手く戦い抜けるかは、どれだけ“負傷離脱者”を最小限に抑えるかにかかっている。
来る11月に開幕するカタールW杯は、例年より多くの変数が存在している。最大の変数は開幕までの招集期間が以前よりも短いことであり、すべての出場国の負担となっている。
今大会は11月21日に開幕し、12月18日に閉幕する。国際サッカー連盟(FIFA)は最近、開幕1週間前の11月14日から各国が選手招集する規定を発表していた。
従来のW杯は6月中旬に行われてきた。秋春制の欧州主要リーグが5月初めにシーズンを終えるため、大多数の出場国が少なくとも3~4週間の準備期間を設けることができた。
概して、出場国は自国でコンディションを調整した後、1次キャンプを経て開催地のベースキャンプに移動する。
4年前のロシア大会では、韓国代表はオーストリアで1次キャンプと強化試合を行った後、ロシア・サンクトペテルブルクのベースキャンプに移動した。今回は招集期間が1週間しかないため、事前キャンプを別途設けることなく、直接カタール入りする案が有力だ。
パウロ・ベント監督はじめ、韓国代表のコーチ陣が最も警戒している要素は主力の負傷だ。
韓国はロシア大会の直前、攻撃陣の中核を担っていたMFクォン・チャンフン(27、金泉尚武)をはじめ、DFキム・ジンス(29、全北現代モータース)やDFキム・ミンジェ(25、フェネルバフチェ)などがそろって負傷し、大会を前にメンバーを離脱する悪夢に巻き込まれた。
春秋制の日程を過ごすKリーグの選手は、W杯前にシーズンが終了する。最終盤の熾烈な順位争いでは負傷の危険にさらされざるを得ない。
特に、現在の韓国代表守備陣の主力には、キム・ジンス、DFキム・ヨングォン(32、蔚山現代)、DFキム・テファン(32、蔚山現代)など、優勝争いを繰り広げる全北現代、蔚山現代の選手が多い。彼らのうち一人でも負傷離脱するようなことがあれば、大きな戦力低下は避けられない。
攻撃陣の中核を担う欧州組も安心できない。
今回はシーズン開幕から3カ月ほど経過した時点でW杯に出場するため、コンディション面では以前よりも良いだろう。ただ、W杯を見据えて過度なパフォーマンスをすれば負傷につながりかねない。特に、FWソン・フンミン(29、トッテナム)やFWファン・ヒチャン(26、ウォルヴァーハンプトン)はシーズン序盤の負傷が多い方だ。
また、すでに負傷のリスクを抱えている選手もいる。ドイツ・ブンデスリーガでプレーするMFイ・ジェソン(29、マインツ)、FWイ・ドンジュン(25、ヘルタ・ベルリン)がその例だ。
イ・ジェソンは去る9日のリーグ戦で靭帯を負傷し、事実上のシーズンアウトとなった。イ・ドンジュンも直近の練習中に元ガーナ代表MFケヴィン=プリンス・ボアテング(35)と衝突し、右ひざを負傷している。
現時点で早くも韓国代表に“負傷注意報”が発令されている模様だ。
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