シーズン開幕目前の相次ぐ主力移籍に頭を悩ませている蔚山現代(ウルサン・ヒョンデ)が、全方位的な対策作りに乗り出している。
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まず、ホン・ミョンボ監督やキャプテンの元韓国代表MFイ・チョンヨン(33)らの慰留もあったなか、J1リーグの清水エスパルスへの移籍を決断したFWオ・セフン(23)の代役として、かつて浦和レッズなどで活躍したブラジル人FWレオナルド(24)の合流が待たれている。
また、ドイツ2部シャルケにレンタル移籍し、日本代表DF板倉滉(25)とチームメイトになった韓国代表MFイ・ドンギョン(24)の空白については、元日本代表MF天野純(30)を横浜F・マリノスからレンタル移籍で獲得し、穴埋めに成功した。
ただ、最も補強に手間取っているのが、ドイツ1部ヘルタ・ベルリンに急遽移籍した韓国代表FWイ・ドンジュン(24)の代役だ。
チームにはFWキム・ミンジュン(21)など才能ある若手こそいるものの、今シーズンは杭州アジア大会を控えるU-23韓国代表への招集などもあり、不在の時間が多くなる見込みだ。
そこで目を付けたのが、昨季に1部最下位で2部に降格した光州(クァンジュ)FCの韓国代表FWオム・ウォンサン(22)である。
オム・ウォンサンをめぐってはFCソウルとも獲得競争を繰り広げている。Kリーグでトップクラスのウィングと評価されていたイ・ドンジュンが抜けた今、彼の穴を埋められる選手はオム・ウォンサンしかいない。それだけに、ホン・ミョンボ監督もクラブ側にオム・ウォンサン獲得に注力することを強調している。
蔚山現代の強化部も、今年の旧正月の休暇をほぼ返上し、多角的にオム・ウォンサン側と協議を進めた。オム・ウォンサン自身、光州FCが2部に降格したこともあり、1部ビッグクラブから良いオファーがあれば移籍する意志はある。
ただ、先にオム・ウォンサン側に接触したのはFCソウルであるため、蔚山現代はより良い条件を提示する必要がある。蔚山現代は光州FCに「DFの選手1人+現金」でオファーを出した。光州FC側も肯定的な反応を示しているようだ。
問題はオム・ウォンサンとの個人交渉だ。前述したとおり、先に交渉を始めたのはFCソウルであるため、蔚山現代はより良い待遇で交渉を進めるしかない。FCソウルとしても、遅れて獲得に乗り出した蔚山現代に横取りされまいと、真摯な姿勢でオム・ウォンサンとの交渉に取り組んでいる。
ホン・ミョンボ監督は最悪の事態に備え、これまでにない新プランを採用する構想も持っている。去る7日の光州FCとの練習試合では、元横浜FMの元韓国代表FWユン・イルロク(29)を1トップに起用する実験も行っていた。
また、今冬の移籍市場で蔚山現代に加入した元韓国代表FWパク・チュヨン(36)は、同日の練習試合で後半から途中出場し、ゴールを決めアピールをしていた。
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