韓国プロ野球(KBO)のイ・ジョンフ(23、キウム・ヒーローズ)はオフにもかかわらず、活動的な冬を過ごしている。各種授賞式には受賞者として出席しながらも、今年は普段あまり出演しないバラエティ番組にも出るなど、芸能人レベルのスケジュールを消化している。
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元中日ドラゴンズのイ・ジョンボムを父に持つ彼は、「“父子としては初の首位打者”というタイトルを獲得したあと、ようやく“父、子”という修飾語から自由になれると思った。首位打者というタイトルが持つ個人的な意味が特別な理由」と話した。
野球スターのイ・ジョンフとして独り立ちに成功し、次の目標に向けて大きな一歩を踏み出した。「リーグレベルの努力が後押しされるべき」としながらも、「選手個人が力になれることがあれば、喜んで参加すべきだと思う。野球があったから今の僕がいるからので、ファンの皆さんに恩返しをし、1人でも新しいファンを(野球で)迎え入れることができれば、それも意味深いことだ」と語っている。野球人気が下落を肌で感じているため、中継だけではなく、ほかの番組を通じて野球を広報しなければならないという使命感も芽生え始めたようだ。
イ・ジョンフは2018年のアジア大会(ジャカルタ・パレンバン)で金メダルを獲得し、兵役の特典を受けた。入隊しない代わりに一定のボランティア活動をしなければならないが、メダル獲得後、オフシーズンの度に時間を作って子どもたちと時間を過ごしている。
キウムの先輩だったキム・ハソン(26、サンディエゴ・パドレス)とともに京畿道(キョンギド)のとある野球部を手伝いつつ、個人練習も並行して行う。イ・ジョンフは「幼い後輩たちの練習を手伝っていると、初心を思い出す。ハソン先輩さんや私にとってすべて意味のある時間」と語った。
ここで野球人気が落ちているのを肌で感じたというイ・ジョンフ。自身の学生時代と比べると、青少年の野球に対する関心はほとんど無いに等しい状況だ。
事実、小・中学生などの10代は、野球は何人でプレーするかさえ知らないことがほとんどだ。KBOからスーパースターが消えたというが、現役選手たちには衝撃的な話でしかないはずだ。
イ・ジョンフは「正直、ちょっとびっくりしました」とし、「実際にプレーしている学生を除けば、同年代の友人の大多数が野球に関心がなかったり、知らないと言っていた。個人よりリーグレベルでの努力が切実な状況だ」と話した。
また、ファンサービスが評判としても知られているイ・ジョンフは、「(バラエティ番組への出演も)野球を知ってもらう方法だと思った。素直な姿を見せて、野球に関心を持つ人が1人でもいればいいことではないだろうか。これからもファンの大切さを忘れず、より良いプレーで応えていきたいと思った」と強調している。
韓国球界最高のスーパースターに浮上したイ・ジョンフも、プロ野球の危機を肌で感じている。すべての関係者が危機的状況であることは認識してはいるものの、安易に打開策を打ち出せずにいるのが現実だ。
個人練習の時間を割いて野球をPRすることに乗り出したイ・ジョンフの献身が、関係者の認識改善を越え、具体的な動きに繋がるかどうかに関心が集まっている。
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