プロ野球では日本で苦戦を強いられた後、韓国に戻るケースが何度かある。
KIAタイガースや斗山ベアーズに在籍した投手ゲーリー・ラス(元読売ジャイアンツ、東北楽天ゴールデンイーグルス)、現代ユニコーンズ(現在は消滅)やウリ・ヒーローズ(現キウム・ヒーローズ)に在籍したクリス・ブランボー(元オリックス・バファローズ)がその例だ。
いずれも韓国プロ野球では大活躍するも、日本では思うような結果を残せず、すぐ韓国に復帰してしまうケースだった。
そして、2022年にも似たような現象が起きる可能性がある。今シーズンは阪神タイガースだけで韓国プロ野球経験のある3人の外国人選手がプレーしたが、いずれも阪神でキャリアを続けることは難しいかもしれない。
2020年、KTウィズで46本塁打、132打点の活躍で韓国プロ野球MVPを受賞したメル・ロハス・ジュニア(31)は、阪神で60試合の出場にとどまり、8本塁打、21打点に終わった。斗山ベアーズで20勝を収め、最多勝に輝いたラウル・アルカンタラ(28)も、阪神で挙げた勝利はわずかに3勝だった。
また、2人より1年早く阪神に入団したジェリー・サンズ(34)は、すでに退団が決定的とされている。サンズは2019年、キウムで28本塁打、113打点を記録し、打点王に輝いた。
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仮にロハス、アルカンタラ、サンズの3人とも韓国に復帰するとなれば、前所属球団のユニホームを着なければならない。すなわち、ロハスはKT、アルカンタラは斗山、サンズはキウムにUターンする。
韓国プロ野球KBOリーグでは、外国人選手との契約を解除した状態でも、球団側が5年の保留権を行使できる。つまり、KT、斗山、キウムが保留権を諦めない限り、韓国プロ野球での選択肢は一つだけになる。
KT、斗山、キウムの立場としては興味を示すしかない。全員が韓国で活躍した経験を持っているだけに、新たに適応期間を設ける必要もない。何より、今季苦戦した新外国人選手が多いことを考慮すれば、また新しい外国人選手を見つけることも簡単ではないからだ。
アジア進出に乗り気な外国人選手は現在も多いが、韓国プロ野球は100万ドル上限制の存在により、優先順位で日本よりも下回っている。最近でも、とある地方球団と首都圏球団が、100万ドル上限制のために日本の球団との外国人選手獲得競争で後れを取っていた。
仮に今季のKTにロハスがいれば、球団はレギュラーシーズン1位確定までそれほど長い時間を要さなかったはずだ。斗山も負傷に苦しむウォーカー・ロケット(27)を見てアルカンタラを思い浮かべただろう。キウムに至っては、サンズ退団以降の2年間で大活躍した外国人野手がいない。
もっとも、現時点で確定していることは何もない。KTと斗山としても、今は新外国人選手よりも韓国シリーズに集中しなければならない。外国人選手の構成は韓国シリーズが終了してから考えることだ。
ポストシーズンをワイルドカードで終えたキウムも、サンズ復帰を候補に置きながら、リストにある新たな外国人選手を同時にチェックしている。
彼らがかつて韓国プロ野球で見せていた姿を振り返ると、日本から韓国にUターンする可能性を無視することはできない。今後の去就にはこれからも注目だ。
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