かつて川崎フロンターレ、ジェフユナイテッド市原・千葉、ツエーゲン金沢、ロアッソ熊本に在籍し、現在は釜山(プサン)アイパークに所属する在日コリアンの北朝鮮代表FW安柄俊(アン・ビョンジュン、31)が、韓国Kリーグ2(2部)で2年連続最優秀選手(MVP)に輝いた。
安柄俊は11月18日、ソウル上岩洞(サンアムドン)のヌリクムスクエアで行われた「HANA 1Q(ハナワンキュー)Kリーグ2 2021大賞授賞式」で、MVP、得点王、ベストイレブンを受賞し、Kリーグ2史上初となる2年連続3冠を達成した。
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安柄俊は今季リーグ戦で“6試合連続ゴール”を2回、“一試合2ゴール”を3回、“ハットトリック”を1回記録。34試合23ゴール4アシストで圧巻のKリーグ2得点王となった。14ゴールで得点ランキング2位のFWジョナタン・モヤ(29、FC安養)とは9ゴール差だ。
これらの活躍で、安柄俊は得点王のみならずベストイレブンとMVPも受賞する最高の一年となった。所属チームの釜山は10チーム中5位に終わり、昇格プレーオフに進むことはできなかったが、安柄俊の活躍がかすむことはなかった。
安柄俊はMVP争いで元サガン鳥栖、鹿島アントラーズの韓国代表DFチョン・スンヒョン(27、金泉尚武)と熾烈な競争を繰り広げた。
実際、監督投票とキャプテン投票ではチョン・スンヒョンが上だった。安柄俊は監督、キャプテンそれぞれから4票を得たが、チョン・スンヒョンは監督から5票、キャプテンから6票を得ていた。
しかし、メディア投票では安柄俊がチョン・スンヒョン(27票)を大きく上回る69票を獲得し、最終点数51.76点でチョン・スンヒョン(44.02点)を上回った。
安柄俊は表彰台で涙を流した。彼は「素晴らしい選手がいるなかでMVPを受賞することができて光栄だ」とし、「精神的に大変な状況にあったとき、自分に手を差し伸べて、自分を信じてくれた釜山に感謝したい気持ちが大きい。そのおかげで自分が今シーズンこんなに上手くプレーすることができた。この感謝の気持ちを一生大切にして生きていきたい。この賞に恥ずかしくなく、常に謙遜な気持ちで頑張りたい」と受賞の感想を語った。
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