来る6月の2022年カタールW杯予選に最精鋭で臨める保証はない。
通算80回目の“日韓戦”で完敗した余波が今も続いている。開催から選手選抜、パフォーマンス、結果まですべてが望み通りにならなかった。何より、今回の試合に向けた韓国代表のピッチ内外での対処は“落第点”と言って良い。
実際、主力攻撃陣の不在は火を見るよりも明らかだった。ソン・フンミン(28、トッテナム)をはじめ、ファン・ヒチャン(25、ライプツィヒ)やファン・ウィジョ(28、ボルドー)の招集が難しいのであれば、代案を用意しなければならなかった。新型コロナウイルス感染症を考慮して所属チームが派遣を拒否する可能性は十分予想できたはずだ。
しかし、韓国代表を率いるパウロ・ベント監督は発表までソン・フンミンとファン・ヒチャンにこだわった。フォワードの選手はイ・ジョンヒョプ(29、慶南FC)が唯一だった。それでも、ベント監督は彼を先発に含めなかった。
キックオフ後も、ベント監督はまともな対処をしなかった。終始一貫してコーチ陣と話を交わしていたが、行動には移さなかった。結局、韓国は前半だけで2失点を喫し、相手に勢いを与えてしまった。
選手間のポジション変化さえもなかった。ベント監督は後半開始と同時に3枚の交代カードを切ったが、効果は発揮できなかった。イ・ガンイン(20、バレンシア)の“ゼロトップ戦術”も、ベント監督自ら失敗であると認めた。
“日韓戦”を最後に、点検の時間は終了した。韓国は来る6月にカタールW杯アジア2次予選を控えている。ホーム&アウェー方式ではなく韓国国内で集中開催されるため負担は少ないが、柔軟でない戦術とプランBの不在は自ら首を絞めることになりそうだ。
かといって、6月にはベント監督が望む最精鋭のメンバーを揃えられる保証もない。負傷はもちろんのこと、新型コロナの状況も一寸先も見えない。
仮に最精鋭が集まったとしても、彼らが最高のコンディションで2次予選を戦い抜けるかどうかも疑問だ。6月は欧州各国リーグのシーズンが終わる時点であり、欧州組はシーズンを終えてすぐ韓国に帰ってきたとしても、体力やコンディションの問題が浮上する可能性はある。
韓国が属しているグループHは、最下位のスリランカを除けば楽な相手はいない。実際、北朝鮮やレバノン相手に圧倒することができなかった。
ベント監督は“日韓戦”後、「“誰かがいたら結果が良くなっていたはず”という話は選手たちにしてはならず、公平ではない話だ。結果を正面から受け止めない言い訳に過ぎない」と述べた。
彼の言葉通り、最精鋭のメンバーが出場するからといって、決して勝利が保障されるわけではない。“ベント・コリア”の本当の危機管理能力が試されている。
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