米メジャーリーグ、サンディエゴ・パドレスのキム・ハソンが、とうとう“スーパーユーティリティーマン”として第一歩を踏み出した。
キム・ハソンは3月25日(日本時間)、アリゾナで行われているオープン戦に出場。ナ・リーグ地区ライバルのサンフランシスコ・ジャイアンツ戦に6番レフトで先発した。これまではショート、セカンド、サードと内野手として出場していたが、初めて外野での出場となった。
パドレスのAJ・プレラーGMが、キム・ハソン獲得時に言及した“スーパーユーティリティーマン”としての本領発揮だ。ユーティリティープレーヤーは通常、内野の複数ポジションに適用される。
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キム・ハソンのような“スーパーユ”ーティリティープレーヤーは、内野と外野を行き来することが可能だ。昨シーズンのナ・リーグ新人王投票2位のジェイク・クローネンワースも、スーパーユーティリティーマンの1人に挙げられる。
ユーティリティ“すぎる”ことは、選手個人にとっては良い面ばかりではない。しかし、チームとしてはスーパーユーティリティーマンを2人ほど確保することで、シーズン中に負傷やアクシデントでレギュラーメンバーが抜けることとなっても、容易に穴埋めが可能だ。
ディフェンディング・ワールドシリーズ・チャンピオンのロサンゼルス・ドジャースが最たる例だ。クリス・テイラーと、今オフにボストン・レッドソックスへと移籍したエンリケ・エルナンデスが代表的な成功例だ。彼らはともに右打者で、特に左投手に強いという長所を持っている。そしてキム・ハソンも右打者だ。
キム・ハソンは初のレフトとして出場し、3打数1安打を記録した。打撃面で不調が心配されていたが、この日のヒットでオープン戦2試合連続安打となった。打率も1割4分3厘まで上昇している。
キム・ハソンの打撃不振は、パドレスのジェイス・ティングラー監督が言うように、メジャー投手への適応がカギのため、否応なく時間がかかる。パドレスのコーチングスタッフたちも、現在までキム・ハソンのバッティングメカニックには口出ししていないそうだ。
守備ではややぎこちなかった。5回、ジャイアンツ先頭打者のカート・カサリが打った二塁打を捕球する際に滑っていた。これは動作の問題というよりかは、芝生が滑りやすかったがために起きたミスだ。実際、クローネンワースも守備時に滑っていたのだ。
パドレスは、肘の負傷で出遅れていた先発のディネルソン・ラメットがオープン戦に初登板し、1イニングを1被安打(本塁打)、1失点で終えている。ラメットが投げる160kmのファストボールと鋭いスライダーは、数多いMLB選手のなかでもトップクラスだ。
パドレスがプレーオフに進出した場合、ダルビッシュ有、ブレイク・スネル、ディネルソン・ラメットらを取りそろえた先発陣は、どのチームにも劣らないはずだ。
試合はジャイアンツが7-3で勝利を収めている。
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