ヤフーと経営統合するLINEの親会社NAVER(ネイバー)とは?韓国が注目する理由

2019年11月23日 社会

ヤフーとLINEが経営統合に合意したことが正式に発表された。

日本のインターネット業界の勢力図が大きく変わるこのビッグニュースは、韓国でも大きな話題になっている。

『日本経済新聞』が第一報を報じたとき、ソウルでさまざまな韓国メディア関係者と会っていたのだが、どこにいってもこの話題で持ちきりだった。

【関連】ヤフーとLINEの経営統合に韓国も反応…韓国の専門家たちはどう見ている?

というのも、LINEの親会社は韓国のNAVER(ネイバー)だからだ。日本では「NAVERまとめ」が有名なNAVERだが、韓国では検索事業で韓国内78%以上のシェアを誇る韓国ナンバーワンIT企業だ。

世界的ビジネス雑誌『FORTUNE』(フォーチュン)が将来の市場をリードする有望企業50社を選定して発表する「The Future 50」でもアマゾンやアリババ、ネットフリックスよりも高い評価を得ているだけに、韓国の専門家たちもかなり関心を示しているようだ。

KB証券イ・ドンリュン研究員などは「LINEとヤフージャパンが合併すると、両社の合算月間アクティブユーザー(MAU)は1億人に達し、日本国内での市場支配力が強化され、日本以外の地域への拡張にも速度が加わるだろう」としている。

NAVER設立者は現NAVERのGIO(グローバル投資責任者)であるイ・ヘジン氏。イ氏は1967年生まれの52歳。1990年にソウル大学のコンピューター工学科を卒業し、その後、韓国の理工学系エリートが集結するKAIST(韓国科学技術院の英語略。韓国における科学技術研究の中心的役割を担う国立大学のひとつ)で修士課程も修了した人物だ。

1992年からはサムスン系列のサムスンSDSに入社。そのサムスンSDS内で社内ベンチャーを起こし、1999年に独立するとNAVERコムを設立している。

NAVERコムは検索サービス「NAVER」をスタートさせ、約1年後の2000年7月にはインターネットゲームポータルサイトを運営していたハンゲームコミュニケーションなどを吸収合併した。2001年には商号をNHNに変更し、2005年までニュースやキーワード広告、ショッピングモール、知識IN(知恵袋)、ブログ、掲示板サービス、リアルタイム検索ワードなどのサービスを次々に展開しながら、総合検索ポータルサイトとして発展させてきた。

2004年にはDaum、Yahoo!Koreaといったライバルたちを押しのけて韓国ナンバーワン検索サイトになり、現在までその地位を守り続けている。

京畿道・成南市に位置するNaver本社「Naver Green Factory」

「インターネットの世界は、勝者がすべてを独占します。その部分については、私もこれまで悩み続けてきました。韓国ではNAVERが70%のシェアを獲得していますが、世界の大部分の国では、Googleが80~90%を占有している状態です。Googleがすべてを支配する世界で、自国市場を守れていることには自負心を抱いています」

イ・ヘジン氏が2014年のビジネスフォーラムに登壇した際の言葉だが、韓国はNAVERがあることでGoogle帝国の支配下にない数少ない国ともいえるだろう。

LINEはNAVERの起死回生の一手

そんなNAVERの歴史で特徴的なのは、積極的なM&Aを繰り返してきたことだ。

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