また有線ボイスフィッシングは、2020年は月平均108件となっていたが、今年に入ってからは毎月159件が発生し、こちらも増加傾向を見せている。有線ボイスフィッシングは2017年から2019年まで毎年2000件以上発生したが、昨年は1297件と減少。しかし、今年は7月までに1113件が発生し、再び増加傾向に転じている。
そして韓国の3大通信キャリア(SKテレコム、KT、LGユープラス)のうち、振り込め詐欺や飛ばし携帯(架空の名義で契約された携帯電話)に悪用された回線が最も多かったのはKTであることが今回判明した。
ヤン議員は「全般的にボイスフィッシングが増加する中でも、SK テレコムとLGユープラスは今年二桁を維持して著しく減少したのに対し、KTは7月末時点で昨年の数値を上回った」と指摘している。
事実、今年7月末時点で振り込め詐欺に悪用された事業者別の有線・無線回線は、有線通信が954回線、無線が104回線とKTが最多を記録。
続いて、LGユープラスが有線53回線、無線48回線となり、SKブロードバンド(有線)が22回線、SKテレコム(無線)が58回線と集計された。
ヤン議員は「通信3社は通信トラフィックを誘発するほど売上が上がる構造なので、ボイスフィッシング回線の管理を疎かにする可能性がある。今年、営業実績が大きく改善されただけに、ボイスフィッシング回線の管理に強く乗り出さなければならない」と促している。
これとともに、主にボイスフィッシングに利用される飛ばし携帯の摘発件数も、今年6月末時点でKTが圧倒的に多いことが分かった。ヤン議員が警察庁から提出を受けた資料によると、摘発件数は今年6月末時点でKTが2232件で最多を記録している。LGユープラスが340件と続き、SKテレコムが164件で最少となった。
この数値は、前年度と比較して唯一KTだけが増加しているという。KTは昨年の1060件と比べ、今年6月末までで2232件と2倍以上増加したことが確認された。
ヤン議員は「今年7月から振り込め詐欺を予防するため、行政機関、捜査機関または韓国インターネット振興院が、振り込め詐欺に使用された回線を利用停止できるよう通信3社の利用約款が改正しただけに、実質的な効果を見せ、国民に被害がないよう政府が徹底的に準備しなければならない」と訴えた。