2018年2月27日に韓国国会で開かれた「教育文化体育観光部委員会」(以下、教文委)の全体会議で、自由韓国党のイ・ウンジェ議員が日本語を口走って物議を醸したことがある。
イ議員は、自分と論争していたユ・ソンヨプ教文委員長に対し、「なぜ“ゲンセイ”するのか?」との発言。
「ゲンセイ」とは、日本語の「牽制」を直読みした言葉(韓国の日本語表記法では、最初の発音を必ず濁らせる)である。
すると、ユ教文委員長はイ議員に、「“ゲンセイ”という言葉を聞いたのは、僕が昔、ビリヤード場に行っていた頃以来はじめてだ。委員長(自分)に対して“ゲンセイ”などと言うのはどうかと思う。しかも日本語ではないか。三一節(1919年3月1日の独立運動を記念する韓国の祝日)を控えた今、公の場において適切ではない発言だ」と責めたのだった。
国立国語院からは「日本の残滓」認定
ユ教文委員長の言葉通り、韓国ではビリヤード用語として「ゲンセイ」という言葉が使われたらしい。
しかし最近は、代わりに“守備”という表現を使うよう、韓国ビリヤード連盟が勧めているため、あまり使われておらず。『JTBCニュース』によると、韓国国会で「ゲンセイ」という言葉が出たのは2009年以来という。
ただ、ネットの世界では、オンラインゲームの相手プレーヤーを牽制するときに「ゲンセイする」と言ったりするのだが、これは、韓国の若者によく見られる「わざと日本語を使う」行為の一種と捉えたほうがいいだろう。
そもそも、「ゲンセイ」をはじめ、韓国でよく使われる「サシミ(刺身)」、「モンペ(もんぺ)」などの日本式単語に対し、韓国国立国語院は「日本の残滓」とし、「正しい表現ではない」と規定している。
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この「ゲンセイ」騒動によって日本式単語の問題が再浮上した韓国。日韓交流が活発になっている今、日本語読み・表記による問題は今後も続きそうだ。
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