ボーイズグループEXO(エクソ)の3人と所属事務所SMエンターテインメントによる葛藤が、最年長メンバーでリーダーでもあるスホの足を引っ張り続けている。
EXOのCBX、つまりチェン、ベクヒョン、シウミンの3人は2023年6月、法定代理人を通じて所属事務所SMエンターテインメントを相手に専属契約の解除を通知した。透明な精算資料や精算根拠の要請を拒否され、“奴隷契約”を強要されたという主張だった。
これに対してSMエンターテインメントは「専属契約期間は、すでに当社が2018年に最高裁から正当なものと認められた契約内容」と反論した。
8人組のEXOが5人組になってしまうのではないかと危惧されたが、和解が成立した。葛藤が浮上して18日後の同年6月19日、SMエンターテインメントが「当社とアーティスト3人は虚心坦懐にすべてのイシューを議論する時間を十分に持った。これを通じて、これまで誤解によって発生した意見の相違を解消し、相互に円満な合意に至った」と発表した。
偶然にもその翌日、ソウルの世宗文化会館大劇場ではミュージカル『モーツァルト!』のプレスコールが進行された。その場にはEXOのリーダー、スホが参加していた。
ミュージカルに関する話を交わす場だが、騒動が大きかったため、年下メンバーたちと所属事務所との葛藤、そして和解に関する質問が欠かせなかった。
これに対してスホは「今日、答える言葉ではないようだが、メンバーたちと力を合わせ、ファンの方々にも良い姿をお見せしようと問題なく元気に過ごしている。この場だけは『モーツァルト!』に対する、より多くの関心と愛をお願いしたい」とし、「問題なくカムバックを準備中だ。EXOのニューアルバムを楽しみにしてほしい」と丁寧に答えた。
だが葛藤は、完全に解消されたわけではなかった。
当時、SMエンターテインメント側は3人に対するテンパリング(専属契約期間中に他事務所と事前に接触すること)疑惑を提起し、その“外部勢力”として歌手のMCモンが社内理事を務めていた「Big Planet Madeエンターテインメント」を名指しした。
ただ、MCモン側は疑惑を否定した。ベクヒョンはSMエンターテインメントとの従来の専属契約が終了すると、今年1月、独自レーベル「INB100」を設立。そこでチェン、シウミンと個別活動を開始した。
すると5月、INB100は、チャ・ガウォン会長とMCモンが共同投資して設立した企業であり、Big Planet Madeエンターテインメントの親企業である「ONE HUNDRED」の子会社となった。
さらに、この状況でIBN100側が緊急記者会見を開き、SMエンターテインメントが昨年6月に締結した合意書の条件を履行しなかったと主張した。
合意当時、SMエンターテインメント側は、アーティストが設立する新規法人の企画・開発・制作するコンテンツは、SMエンターテインメントが指定する業者に流通させ、流通手数料5.5%を出させると約束したが、これを履行しなかったというのがIBN100側の主張だ。にもかかわらず、SMエンターテインメントは、個人の芸能活動で発生した売上高の10%をロイヤリティとして要求しているという。
これに対してSMエンターテインメント側は、「このすべての事件の本質は、当社所属アーティストに対するMCモン、チャ・ガウォン側の不当な誘引(テンパリング)という点」と明らかにした。
それと共に「個人法人売上の10%を当社が受け取る部分は、裁判所の仲裁で導き出された基準を適用し、実際の合意過程でもそのような料率に対して相互議論され、締結が完了した」と説明した。
また、流通手数料5.5%は「CBX(チェン、ベクヒョン、シウミン)との紛争過程で、CBX側を助けるために流通会社と交渉がうまくいくよう支援するという意味で言及した部分だ。そもそも当社が他の流通会社の流通手数料率を決定できる権限はない。CBX側が流通手数料率関連の内容を合意の条件として入れてほしいと言ったが、当社が決定できる権限がないので合意書内容には含められないと説明しながら該当規定を削除し、合意書締結本には該当条項が含まれていない」と伝えた。
SMエンターテインメントがCBXを相手に契約履行請求訴状を提出すると、CBX側は6月14日、「SMは私たちの交渉案に対して何の応答もなく、直ちに法的対応という恐ろしい刀を抜いた」「SMが先に訴訟を提起しただけに、私たちは2023年の交渉過程をはじめとするすべてのことを公開し、積極的に臨む」とし、SMエンターテインメントに対して精算金請求訴訟を提起すると伝えた。
関係者は「SMと専属契約の不公正性に対して公正取引委員会の提訴を通じて、正当な法の判断を受ける」とし、「常に愛と応援を送ってくださり、常に幸せだけを受け取らなければならないファンの方々に、昨年のような問題で不安と失望感を抱かせて本当に申し訳ない気持ち」と付け加えた。
問題は、スホが再び困難な状況に置かれたという点だ。
スホは6月初め、ドラマ『世子が消えた』(原題、MBN)の終映インタビューを6月14日に予告したことがある。「確信の世子像」と呼ばれ、ドラマを立派に導いた主人公であるだけに、作品を愛してくれた視聴者のために終映インタビューに応じると言ったスホだ。
だが、またもやタイミングが悪い。SMエンターテインメントとCBX側が連日、法的対応を示唆している状況で、スホが取材陣と向き合うことになってしまった。
作品に対する全般的な話はもちろん、EXO完全体のカムバック、メンバーのイシューに対する質問は避けられないと思われる。
本人は誠実にグループと個人活動を展開しているが、弟たちのために何度も困っているスホだ。
(記事提供=OSEN)
◇スホ プロフィール
1991年5月22日生まれ。本名はキム・ジュンミョン。2012年4月にEXOのリーダーとしてミニアルバム『MAMA』でデビュー。EXOとして『Growl』『Overdose』『Call me baby』『Monster』『Ko Ko Bop』『Obsession』などヒット曲を発表する一方、2020年3月にソロアルバム『Self-Potrait』を発売した。また、ミュージカル『The Last Kiss』『笑う男』、映画『グローリーデイ』『飛べない鳥と優しいキツネ』、ドラマ『リッチマン~嘘つきは恋の始まり~』などに出演し、俳優としての可能性も認められた。2020年5月14日から兵役を務め、2022年2月14日に除隊した。
■「再び全面戦争」EXOの3人とSMエンターテインメントの葛藤、第2ラウンドへ
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