解任させようとする親会社HYBEと、粘る傘下レーベルADORのミン・ヒジン代表。激しい駆け引きのなか、K-POP界の視線は法廷に向かっている。
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ガールズグループNewJeansの所属事務所でもあるADORは明日(5月10日)午前9時、ソウル某所で非公開理事会を開催する。理事会の上程議案は臨時株主総会の招集である。
HYBEは去る4月、ミン・ヒジン代表の解任案を骨子とする臨時株主総会招集許可申請を裁判所に出した。4月30日にソウル西部地裁で開かれた臨時株主総会招集許可申請の審問期日で、ミン・ヒジン代表側は5月10日までに理事会を開き、5月末まで臨時株主総会を開くと明らかにしたことがある。
この日程は、HYBEが裁判所に臨時株主総会招集許可申請を通じて推進しようとした計画より約1~2週間も早いもので、ミン・ヒジン代表側が主導権を渡さない意志を示したものと解釈された。
HYBEは5月10日の理事会の結果によって臨時株主総会の日程が決定されれば、5月27~30日の間に臨時株主総会を開き、ミン・ヒジン代表と側近の理事をすべて交代させる計画だ。
HYBEがADORの持分80%を保有しているだけに、事実上、単独でミン・ヒジン代表の解任案を処理することができる。ミン・ヒジン代表が持っているADORの持分は18%だ。
しかしミン・ヒジン代表が5月7日午後に突然、HYBEを相手にソウル中央地裁に議決権行使禁止仮処分申請を出したことで、HYBEの計画に不確定要素が生じた。
この仮処分申請は、臨時株主総会でHYBEがミン・ヒジン代表解任案の議決権を行使できないようにしてほしいという内容を含んでいる。HYBEの“ミン・ヒジン代表解任”の試みを阻止するという意志を示したのだ。
ミン・ヒジン代表側は「HYBEが要求した臨時株主総会はミン代表と締結した株主間契約に違反したもの」とし、「所属アーティストと企業価値を守るために議決権行使禁止仮処分申請をすることになった」と説明した。
最終的な判断は、裁判所が担うことになった。裁判所がミン・ヒジン代表側の主張を受け入れずに棄却決定を下せば、HYBEの望み通り、圧倒的な持分率を武器に臨時株主総会でミン・ヒジン代表の解任案を通過させることができる。
双方の内紛で、他の傘下レーベルのアーティストまで世論戦に巻き込まれ、株価が連日急落しているため、HYBEはできるだけ早くこの事態を収拾したがっている。
しかし裁判所がミン・ヒジン代表の主張を受け入れれば、双方の“不都合な同行”はもちろん、不必要な世論戦まで続く可能性が高い。
K-POP界は、来る5月24日のNewJeansのカムバックに注目している。臨時株主総会が5月最終週に開かれ、“NewJeansの母親”と呼ばれるミン・ヒジン代表の解任が決まれば、カムバックと相まって同情の世論が作られることもありうるとの見解が出ている。
ミン・ヒジン代表側も同様に、まもなくNewJeansが新しいダブルシングルでカムバックし、6月には日本デビューシングルのリリースや東京ドームでのファンミーティングなど重要なスケジュールが予告されているだけに、NewJeansの活動に集中させてほしいという立場だ。
とあるK-POP界の関係者は、「HYBEとミン代表の葛藤に世論の疲労度も高まった状況だ。特に彼らの紛争のなかで“ダンワールド(瞑想団体)チャレンジ”など、青少年の間で突拍子のないデマが拡散する危険もある」とし、「NewJeansの活動は計画通り行われる予定だが、臨時株主総会と時期が重なり、ノイズはさらに大きくなると憂慮される」と見通した。
一方でミン・ヒジン代表の解任の件と同時に、HYBEの監査の結果による捜査の行方にも関心が集まっている。
ソウル警察庁チョ・ジホ庁長は、5月7日に開かれた定例記者懇談会で「国民的な関心があるので、他の事件よりもう少し詳細に速度を出して捜査し、関心事項に関して説明する」と話した。
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