韓国の歌手兼ミュージカル俳優のオク・ジュヒョンが、誹謗中傷によって“極端な選択”を試みようとするまで苦しんだことを告白した。
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「顔のない殺人」と表現されるほど、誹謗中傷は簡単に一人の人間を崖っぷちまで追い込んでしまう。そして、一線を越えた誹謗中傷によって、“極端な選択”をしてしまうケースもある。
オク・ジュヒョンは12月26日に放送されたChannel Aの教養番組『オ・ウニョンの金の相談所』(原題)に出演し、“パニック障害”があることを打ち明けた。
彼女は「“どんな人にパニック障害が起きるのだろうか?”と考えるほど、自分は絶対にないと思っていた。『Wicked』というミュージカル作品には、空中に上がって歌を歌う場面があるが、下手をすれば落ちかねない状況が起きた。徐々に痰のようなものが来た。その後、第2幕の第2章から胃酸の逆流で声帯が腫れた。音も聞こえず、息もできなかった」と回想した。
そして、「“私が最悪な迷惑をかけた”、“私は最悪だ”と言って自壊感に陥っていた。それで神経科の推薦を受けて病院に行き、“精神科に行かれたらパニック障害と判断されたはずです”と伝えられた。私も薬を服用している」と話した。
さらには、「レビューを見たとき、“明日から舞台に行ってはいけないのか”、“私が迷惑みたいだ”と気が小さくなり、とても辛かった。“そのまま命を絶ってしまおうか”という時間も経験した」と素直に打ち明けた。
自らを同性愛者とカミングアウトしているタレントのホン・ソクチョンは、自身に寄せられた誹謗中傷のコメントやDMを度々キャプチャーして投稿し、公開的に対応してきた。彼は「答えなかったり、返信が遅れたりしたら、寂しいのか“偽善なのか”、“番組のイメージなのか”と問い詰める方々が多くなっている。私がなぜすべての人のメッセージに答えなければならず、すべての人に優しく行動しなければならず、そうしなかったときは誹謗中傷と脅迫性のメッセージをまた受け取らなければならないのか」と問い返した。
昨年には、男子バレーボール選手のキム・インヒョクが長い間にわたる誹謗中傷によって苦しみ、極端な選択でこの世を去った。
当時、ホン・ソクチョンは「カミングアウトして22年間、数多くの誹謗中傷に耐えてきたが、今は私も言いたいことは言わなければならない。誹謗中傷をする人たちは殺人者だ。君たちの指先から始まった刃で、これまでどれだけ多くの人がこの世を去っていったたのか、私は確実に覚えている。誹謗中傷の防止法であれ差別禁止法であれ、システムが整っていないからといって、思う存分しても良いわけではない。その刃が、君たち自身を刺す日が来るだろう」と怒りを伝えていた。
最近、麻薬投薬の疑いを晴らしたBIGBANGのG-DRAGON(本名クォン・ジヨン)は、疑惑が浮上した後から誹謗中傷に苦しめられた。そして、自身を取り巻く根拠のないデマについて直接釈明に乗り出した。
G-DRAGONに対する警察の麻薬捜査が終結した後、G-DRAGONと専属契約を締結したAIメタバース企業ギャラクシーコーポレーションのチョ・ソンヘ理事は、無分別な憶測と誹謗中傷に対する善処のない強硬対応を予告した。
チョ・ソンヘ理事は「根拠のない一言で提起された疑惑によって、活動への否定的なイメージの形成、精神的被害など、クォン・ジヨン氏が耐えなければならない被害があまりにも大きかった。事実でないにもかかわらず、事実のように広がっていく憶測が拭えない傷を残した。甚だしくは、事件が終結した今も無分別な誹謗中傷によって苦痛のなかで時間を過ごしている。罪のない一人の人格を蹂躙する犯罪だ。ただ、クォン・ジヨン氏の意志を尊重し、我々は正す機会を与えたい」と伝えた。
続けて、「過去の傷を全て回復することはできないが、過ちを覆すことはできる。クォン・ジヨン氏は歪曲された事実と憶測のなかでも黙々と耐え、自ら嫌疑なしを立証する責任を見せた。今こそ、各自が責任ある行動をしなければならない時だ。21日から28日まで、一週間の時間を差し上げようと思う。クォン・ジヨンの名誉を傷つけるすべての投稿を削除及び訂正するようにしてほしい。(期間が過ぎた)以後は無寛容の原則に従い、善処なく強力対応をする」と強調した。
上記に挙げた芸能人だけでなく、ほかにも数多くのスターが誹謗中傷に苦しんでいる。
女優チョン・ソミンは最近降板したSBSバラエティ番組『ランニングマン』に出演した6年間、降板を促す誹謗中傷に苦しみ、女優パク・ソダムも継続的な容貌侮辱と罵詈雑言を浴びせる誹謗中傷に対応した。
タレントのクァク·ジョンウンも、MBCバラエティ番組『舌総合格闘技セチヒョ』(原題)を通じて、「“殺す”という言葉もあった。これを受け取ったときは、一週間家のなかでぶるぶると震えたこともあった。“離婚したくせに、なぜ恋愛コーチをするのか”という話も多かった。“整形したくせに、どうして綺麗なふりをするのか”という誹謗中傷もたくさん受けた」と自身に対する悪質なコメントを公開した。
コメディアンのキム・ギスもまた、「働いた分だけ戻ってくるものはなくても、彼らが奪えないように持ちこたえている。私がこの世を去ったら拍手をする彼らが想像できる。 もう人々もわかると自分は信じている。私が命を絶たず悲しいだろう。これまで、単純に芸能人への誹謗中傷だからと軽視する人が多かった。今明らかなことは、彼らは私の命綱で遊ぶ人々であるということを知ってほしい」とし、自身を苦しめる悪質なユーチューバーを公開批判した。
韓国では最近、スターたちが自身に対する誹謗中傷を公に言及し、積極的に対応するケースが増えている。ただ、誹謗中傷を根本的に遮断できない状況では、一線を越えて過度に非難したり、デマを流す誹謗中傷に傷つくほかはない。
意味のある批判は必要だが、悪意を持って行う原色的な非難は人を崖っぷちに追い込む残虐な行為にほかならない。
だからこそ、誹謗中傷根絶のために、誹謗中傷に対する処罰をさらに強化するしかないだろう。
(記事提供=OSEN)
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