韓国でここ最近、世間を騒がせている“稀代の詐欺師”チョン・チョンジョ(27)の手法が暴かれた。
【注目】「性的関係はもったが…」五輪メダリストvs元再婚相手の泥沼劇
11月9日に放送されたMBCの真相究明番組『実話探査隊』(原題)では、チョン・チョンジョの素性と彼の詐欺行為が取り上げられた。
『実話探査隊』の制作陣は、去る10月に五輪メダリストの元フェンシング女子韓国代表ナム・ヒョニ(42)の再婚相手としてチョン・チョンジョが世間に知られた直後から取材を開始。これまでにチョン・チョンジョと関するさまざまな情報提供を受け付けてきた。
そこで、「自分と運動するときは女だった」「江華島(カンファド)生まれだ」「アメリカに行ったことはあるのか」「名前も変えずに男のふりをして歩くのか」などの情報が寄せられたことで、チョン・チョンジョの性別詐称疑惑と詐欺行為が水面下に上がった。
その後、チョン・チョンジョが詐欺容疑で拘束されて以降も、情報提供は続いていた。
チョン・チョンジョの詐欺行為は実に多様だ。
「投資金詐欺」「就職詐欺」「損害補償名目の詐欺」「財閥なりすまし詐欺」「結婚詐欺」「物品詐欺」など、さまざまな手口が用いられた。
とある20代女性は、計34回にわたり約1700万ウォン(日本円=約170万円)を騙し取られたという。次のように被害を明かす。
「最初は“お金を貸してくれ”と言われ、能力があるから返せるだろうと思って貸した。その後、投資の話を切り出され、高級住宅と車を見せられて財力を誇示された」
プロファイラーのペ・サンフン氏はこうした詐欺行為について、「詐欺の基本要素は環境造成が先であり、そこにポンと投げることだ。一つひとつが完璧に作戦を練ったとは言えない。失敗すれば別のことをする。詐欺師たちは粘り強い。完璧ではないが、挑戦をし続ける」と分析する。
チョン・チョンジョは時には男性、時には女性と自身の性別を変えながら詐欺を働いた。
今年4月にチョン・チョンジョを刑事告訴した男性は、「マッチングアプリで初めて会った。モーテルに行こうと言われ、身体接触を先にして寝床に入った。その後、昨年11月に妊娠したと伝えられた。問題は、乗馬大会出場を予定しているのに妊婦は出られないという。後援も受けたため、出られない場合は違約金を払わなければならないという。それで融資を受けてまで7800万ウォン(約780万円)を送ったにもかかわらず、出会いを拒否されて別れを告げられるなど急変した。入金した口座もチョン・チョンジョの母親だった」と伝えた。
チョン・チョンジョは女性として生まれたが、「性転換症」によって苦労があったという。
これについて整形外科専門医は、「性転換症患者の典型的な姿ではない。最も重要な点は、性転換症患者は自身の“性”を強く嫌悪する方だ。一刻も我慢できないほどであり、自分の体に胸があったり、女性の性器があることを我慢できない。そのことについてとても不便さを覚える。しかし、その体で男性と性関係を持ち、結婚まですることは想像できない」と見解を伝えた。
また、「睾丸移植」については、「移植したとしても、機能が活性化するためにはホルモン的に微妙なバランスを取らなければならない。ただ、それはもはや神の領域だ」と述べた。
チョン・チョンジョと拘置所の動機だという情報提供者も口を開いた。
同氏は「なぜ(拘置所に)入ってきたのか尋ねると、“継母が自分の名前で事業を失敗して、その責任を被った”と言った。一緒に風呂も入ったし、髪も乾かしてくれた人だが、男だというのだから自分の立場としては戸惑った。誰が見ても女だ」とし、次のように続けた。
「皆チョン・チョンジョに対する雰囲気がおかしく、聞いてみると“妊娠した”と言っていた。それで、“自分と一緒に生活していたときはそんなことなかったし、妊娠ではないのではないか”と聞くと、何も言えずにいた。そうしたら、“申し訳ない”と言って妊娠の事実がなかったことになった」
「(拘置所には)それなりに泥棒や詐欺師が集まっているが、そこでもチョン・チョンジョは人々を騙した。詐欺師が詐欺師を騙すほどなのだから、とんでもない人間だ」
『実話探査隊』制作陣はチョン・チョンジョに何度も連絡を試みたが、「電話を間違えている」と返された。
その後、同じ番号に電話をかけると、「自分は何も言わない。こんなことを話すつもりはない。電話に出る理由は、警察に出るかどうか、そのために電話に出ることだけだ。記者の方なら何も言いたくないし、こういう方によってテレビに出ることも望まない」とチョン・チョンジョは伝えた。
なお、チョン・チョンジョは現在、特定経済犯罪加重処罰法上の詐欺容疑で拘束されている。
警察はチョン・チョンジョ相手に受け付けられた告訴・告発11件と陳情1件などを合わせて捜査中だ。
チョン・チョンジョは拘束前のインタビューなどを通じて、ナム・ヒョニが自身の正体をすでに2月から知っていて、胸の手術もナム・ヒョニの勧めで行うことになったと主張した。
また、自動車などの財産や貯金はなく、投資金の大部分をナム・ヒョニに使ったほか、自身はナム・ヒョニから1ウォンも受け取ったことがないと強調していた。
(記事提供=OSEN)
■「“上下”とも女性」「女と結婚」チョン・チョンジョ、結局性別はどちらなのか
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