18年以上の“奴隷契約”か…韓国人気グループEXOメンバーと事務所の対立、見えた「4つの争点」

2023年06月06日 話題

所属事務所のSMエンターテインメントを相手に、契約解除を通知したEXOのベクヒョン、シウミン、チェン。

【写真】「最強のアイドル」EXO・ベクヒョン

双方の真実をめぐる攻防が激化し、EXOのメンバー3人は所属事務所が“超長期”の専属契約を事実上強制しているとし、SMエンタを公正取引委員会に提訴した。

メンバー3人の法律代理人である法務法人リンのイ・ジェハク弁護士が6月1日に立場文を発表し、彼らがSMエンタに専属契約解除を通知したと明らかにしてから、1週間弱。現在までの争点をまとめてみた。

争点① 精算資料のコピー要請をSMが受け入れ

EXOのメンバー3人は、SMエンタ側に何度も精算資料のコピーを要求したが、受け入れられなかったと指摘した。するとSMエンタ側は「(他のEXO)メンバーの同意を得てコピーを提供する」とし、一歩譲歩した格好だ。

(写真提供=SMエンターテインメント)左からチェン、ベクヒョン、シウミン

SMエンタは6月5日、「3人の要請を条件付きで受け入れる」と明らかにした。グループ全体であるEXOのために、アーティスト3人およびその代理人が精算資料のコピーを、精算内訳を点検する以外に他の不当な目的で活用しないと確認されるという前提で提供するという説明だった。

ベクヒョン、シウミン、チェンが不透明な収益精算と主張し、専属契約解除通知の最も大きな理由として前面に掲げた精算資料を、SMエンタが「他のメンバーの同意も受けた」として提供することを決め、3人の主張は若干勢いを失うことになった。

SMエンタの立場では「奴隷契約」ではないことを証明すると同時に、彼らが要求した専属契約の解除は受け入れられないということを公表したわけだ。

ベクヒョン、シウミン、チェン側はこれと関連して、「SMエンタ側が6月5日18時まで“精算資料が準備できなかった”として資料を提供しなかった」と主張した。

争点② 精算資料要求の背後にはMCモンが?事後接触疑惑

これまでSMエンタが精算資料を提供しなかったのは、第3勢力の介入が疑われたためとされてきた。清算資料にはメンバー別の活動内訳、契約金、精算料率などセンシティブな個人情報が含まれており、慎重だったという理由だ。

左からベクヒョン、シウミン、チェン

EXOのメンバー7人は、長い意見調整の末、2022年12月30日にSMエンタと再契約を締結した。特に2022年11月中旬から約1カ月間は、メンバー側の代理人と計8回にわたって修正案をやりとりし、ベクヒョン、シウミン、チェンを含むEXOメンバーたちと2回も付属合意書を締結し、アーティストに有利に精算料率を変更したと知られた。

今になって精算料率ではなく、精算資料を要求する理由としてSMエンタは、3人を操る外部勢力がいると主張している。

その後、3人の背後に歌手のMCモンが過去に社内理事として在職したビッグプラネットメイドエンターテインメントがいるという疑惑が提起されたが、ビッグプラネットメイド側は彼らと会ったこともないと正面から反論した。

MCモンもベクヒョンと会った事実こそ認めたが、親交上の会合に過ぎず、引き抜きの試みはなかったと否認。そもそもMCモンは、すでにビッグプラネットメイドの社内理事職を辞めた状態だ。

一部ではこれに対して「タンパリング(事前接触)」という見方を提起したりもしたが、すでに3人がSMエンタと再契約を締結した後に会っているため、タンパリングが成立することは難しそうだ。

ただ、SMエンタが疑惑を提起している“再契約後の事後接触”と二重契約の疑いを受けているという点で、業界でもこれまでなかった初めての出来事という見方だ。今後、法的な争いへと発展した場合、裁判所が誰の手を握るかによって、外部勢力の事後接触疑惑による専属契約解除訴訟が引き続き発生しかねないという憂慮混じりの声も出ている。

争点③ 「懐柔などガスライティング」vs「自発的な再契約」

(写真提供=OSEN)左からチェン、シウミン、ベクヒョン

ベクヒョン、シウミン、チェンの3人は、SMエンタが12年から13年の長期専属契約を締結した後、再び後続の契約を通じて、少なくとも17年または18年以上の「奴隷契約」を締結するようにしたと主張し、契約書の一部を公開した。

これに対してSMエンタは、「メンバー3人は再契約がまったく強制されない状況で、大型法律事務所弁護士の助力を受けながら当社と十分な協議を経た後、新規専属契約(再契約)を締結した」と強調した。メンバーたちが問題視したアルバム発売量にともなう契約期間自動延長条件も、やはり相互間で十分に協議して反映した事項だという主張だ。

しかしメンバー3人は、再契約当時のSMエンタ側の発言を公開し、「自発的な再契約」という事務所側の説明に対抗。メンバー3人は、SMエンタが当時「ベクヒョン、お前が契約してこそ他のメンバーがこの程度の契約金を受け取ることができる」と話したと主張した。

SMエンタの契約条件は不当だと感じたが、海外進出を理由にした専属契約を3年延長する付属合意書と共に、持続的な懐柔と拒否しにくい雰囲気の助長などがあり、再契約書類に捺印するほかはなかったと主張し、「ガスライティング(心理的虐待の一種)」という単語も使った。

一方でSMエンタ側は、「公正取引委員会と文化体育観光部が制定・勧告する“標準専属契約書”に合うよう契約を進行した」という立場だ。

争点④ EXOの「完全体」、断言できるか

(写真提供=SMエンターテインメント)EXO

2012年に12人組でデビューし、『Growl』がヒットして大きな人気を博したEXOは、2014年に中国出身メンバーのクリスとルハンなどが相次いでSMエンタを相手に訴訟を起こし、グループから離脱した。

EXOは最近、メンバー全員が揃った完全体カムバック(8人)を予告したが、カイが突然入隊することになったことに続き、チェン、ベクヒョン、シウミンと所属事務所の紛争が発生し、カムバックが不透明になった。

一連の事態で不意打ちを食らったのは、他でもなくファンだ。長い兵役の空白期を経て、久しぶりに再びステージに立つEXOを待っていたファンにとっては、カムバックを控えて発生した葛藤に当惑せざるを得ない。

ベクヒョン、シウミン、チェンの3人とSMエンタが激しく対立しているなかで、双方はEXOのグループ活動は守るということでは意見を一致している。

SMエンタは「EXOは当社が本当に大切に思っているアーティスト」と強調し、3人も「今後どんな形で法的問題が終わることになっても、EXOというチームとしての活動は熱心に、そして誠実に続けていくようにする」と誓った。

実際に3人は所属事務所との紛争という状況でも、EXOのデビュー11周年を記念する新曲ミュージックビデオ撮影に合流し、EXOの新しいアルバムの準備作業を行っていることがわかった。

問題は、このような“不便な同居”のなかで、EXOのカムバックを予定通り進行できるかどうかだ。双方ともEXO活動への意志を表わしたが、もし3人がSMエンタを相手に専属契約訴訟を提起することになれば、SMエンタとの縁は事実上終わる可能性が高く、そうすればEXOのチーム活動も断言しにくくなる。

事務所との葛藤は長期戦になる可能性が高く、SMエンタと3人の葛藤が劇的に解消されたとしても、すでに深すぎる傷を負ったファンの心まで治癒することができるかが、彼らのカムバックが完全に歓迎されるかどうかを決めるものと見られる。

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