ベテラン俳優でも立場は「下」…韓国ドラマ制作現場の暗部が露呈した“ブチ切れ降板騒動”とは

2023年05月17日 話題

俳優のホ・ジョンミン(40)が突然ドラマを降板させられ、2カ月という時間を無駄にしたと吐露した。

【写真】「ブサイクだからか?」韓国俳優が感情ぶちまけ

彼の暴露後、ドラマ側のパワハラなのか、マネジメントとのコミュニケーション不足なのかをめぐって様々な議論がなされたが、ドラマ制作側が立場を明らかにして遺憾の意を表明し、ホ・ジョンミンがそれを受け入れて事態は一段落した。

しかし30年近く活動した俳優にも、こんな事態が起きるという点で「俳優」という職業の明と暗が注目されている。

「年寄りたちめ」とブチ切れ

事の発端は、ホ・ジョンミンが自身のチャンネルに心情を打ち明けたことだ。

(写真提供=OSEN)ホ・ジョンミン

彼は5月16日、「2カ月間準備した。ところが作家さんが俳優ホ・ジョンミンは嫌いだと言ってしまうのですね?会ってもいなかったのに、どうして…。私がブサイクだからですか。礼儀がないからですか。演技ができないんですか。準備期間の2カ月と、これからの日々はどうなりますか」と吐露した。

続けてホ・ジョンミンは「我慢しようとして口を滑らせます。世の中は変わりました。『ヒョシムの各自図生』(原題)、KBS週末ドラマ、ヒットしてください。黙っていろと言うな。私はこのどん底に、これ以上の興味がない、年寄りたちめ」と激しい感情をぶちまけた。

それでも足らなかったのか、彼は「降ろすのであれば適切な釈明と理由、謝罪がなければならない。この年寄りたちが。じゃあ、お前本当に××、年寄り認証。さようなら」と覚悟を決めたように批判した。

ホ・ジョンミンが突然降板させられたと暴露した『ヒョシムの各自図生』側は同日、釈明に乗り出した。

それによると、キム・ヒョンイル監督とホ・ジョンミンは、たしかに3月末にミーティングを一度行った。ただ制作陣は議論の結果、劇中のキャラクターと俳優のイメージが合わないという結論を下し、2週間後の4月中旬にマネジメントにその事実を知らせた。その過程で作家がキャスティングに関与した部分はなかったという。

ドラマ制作側がホ・ジョンミンの“暴露”に釈明と遺憾の意を表わすと、ホ・ジョンミンは「私にもこうなのに新人の子たちにはどんなことをするだろうか。トラウマになるように、いじめるだろう。また消すのだろう。移民しよう」と批判の水位を高めた。

不当さを主張したホ・ジョンミンだが、突然「私は臆病者だそうです」とし、ドラマ制作陣の意見を謙虚に受け入れるという意思を明らかにした。

(写真提供=OSEN)ホ・ジョンミン

彼は「整理をすると、最初はキャスティングされたのだが作家さんの介入はなく、ただスタッフの判断でキャスティングが白紙にされただけで、私は遅れて通知を受けて、狂った××のように投稿して大騒ぎしたんですね」とし、「スタッフ、俳優の皆様に深くお詫び申し上げます。ドラマの成功を祈りながら、私はこれで失礼します。スタッフの深い遺憾、謙虚に受け入れます。お元気で」と伝えた。

「俳優」という職業の暗部

ホ・ジョンミンの今回の事態によって、ドラマのキャスティングと関連した俳優たちの立場が明らかになった。

一部のトップスターを除いた、選ばれなければならない立場に置かれた俳優たちにとっては、一作品、一キャラクターが非常に大切だ。

それを調整しようとミーティングを持って深みのある対話を交わすが、本読みに入った後も俳優が交代となることが少なくない。そのため確実になるまで、キャスティングについては断言することはできない。

多くのインタビューで俳優たちは、自分たちを「選んでもらう職業」と表現する。選ばれた者だけができるということは光栄なことだが、「誰か」に選ばれてこそ演技ができるという点は、彼らが「上」ではなく「下」の立場にあるという点を示唆する。

トップ俳優でもない以上、自ら作品を選択することはできず、選ばれなければ演技ができないという現実は、常にストレスとして作用する。

1995年のドラマ『砂時計』でデビューしたホ・ジョンミンは、これまで数多くの作品に出演し、最近も活発に活動している。デビュー30年目を控えるベテランのホ・ジョンミンでさえ、キャスティングと関連して今回のような事態を経験するほど、俳優という職業は容易ではない。

同時にキャスティングを進める制作陣においても慎重な接近と配慮、コミュニケーションが必要であり、特に白紙となる場合には彼らが納得できる理由を説明する姿勢が必要だ。

(記事提供=OSEN)

◇ホ・ジョンミン プロフィール

1982年11月11日生まれ。1995年のドラマ『砂時計』でデビュー。2000年から翌年までは音楽グループ「moonchild」のメンバーとして活動した。これまで『兄嫁は19歳』『また!?オ・ヘヨン~僕が愛した未来~』『ゴー・バック夫婦』『恋慕』『メンタルコーチ チェガル・ギル』など数多くのドラマに出演。他にも映画やミュージカル、演劇と幅広く活動している。

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