注目を集めたいという芸能人の心理は理解するが、あまりにも過度ではないだろうか。
韓国女性タレント、ハム・ソウォン(46)が、突然の離婚発表で世間を驚かせた。
ハム・ソウォンは4月3日、自身のYouTubeチャンネル「私と私の家族はとても疲れた。アンチの無分別な家族への攻撃によって離婚しようとする。今後、私の家族と私に対する無分別な攻撃には法的に対応する」という趣旨の映像を公開した。
この過程で、ハム・ソウォンが18歳下の中国人夫ジンファ(28)との離婚を決心したという理由も、ある程度説得力があった。
ハム・ソウォンは過去、バラエティ番組『妻の味』(原題、テレビ朝鮮)を“やらせ”疑惑で降板したあと、ネット上の悪質なコメントに苦しんできた。
「攻撃は私だけでなく、義父と義母、3人の義理の姉も含まれた」とし、「舅姑は、7年の長い時間を待った末に生まれた貴重な息子の名誉が毀損されている点を最も苦しんでいる。中国のブログや微博(ウェイボー)に、確認されていない誰もが文を書けるところに書かれた文が、まるで確認された事実のように、証拠があるかのように、情報提供者という文句で記事化されている」と苦痛を訴えた。
それとともに「私は姑、義父に離婚すると申し上げるしかなかった。私一人によって、これまで大切に育ってきた夫、夫の実家の家族にもとても大きな傷を負わせたようで、私一人いなくなればいいと思って夫に尋ねた。義理の両親にもずっと泣きながら申し上げた」とし、「離婚して、夫は同じ年頃の、似たような良い家柄の人に会わせてあげることが、夫が私にくれた愛への恩返しであり、最後の礼儀だと思う」と打ち明け、世間から同情を買っていたのだ。
だが、ここでの問題点はあまりにも“過度”だという点だ。ハム・ソウォンが悪質なコメントに傷つき、これからは止めてほしいという気持ちだけ伝えればよかったのではないだろうか。
離婚するという言葉まで付け加えたことで、むしろ問題は悪化してしまった。何よりも、ハム・ソウォンの相次ぐ報告は世間を疑わせるものだった。
上記の離婚発表後、たった7時間後に「いつも何があっても守ってくれて、心配してくれて応援してくれて感謝している。いつも感謝する。ベトナムに行ってまた挨拶します(笑)」という文とともに、夫と消化酵素を食べている姿が盛り込まれた映像をSNSに投稿したことで、離婚の決心が本心ではないことが判明したのだ。
ハム・ソウォンはジンファと2018年に結婚した。出会いから結婚後の人生までもが話題になり、セレブ夫婦として視聴者から愛された。
結婚後、2人は『妻の味』で日常を公開したことで、ある程度好感を高めたのは事実だ。彼女が貧しかった過去を克服し、勤勉に節約する態度は主婦層から愛を受けるのは当然のことだった。
しかし、『妻の味』で紹介された義実家の別荘は宿泊施設だったという疑惑、広州の新居は短期のレンタルハウスだと伝えられ、やらせ疑惑が浮上。それだけでなく、ハム・ソウォンとジンファが夫婦喧嘩を演出したという疑惑も提起された。
これらに対してやらせを認めて番組から降板したが、昨年「『妻の味』の撮影は、出産場面とか特別な日の撮影以外、実際に何があったエピソードを作家にインタビューしてもらう。それから、実際に起こったことの順番に合わせて構成してくださる。インタビューを通じて作られた構成なので、私たちは撮影が組まれたというよりも、あったことを再現するという考えで撮影に臨んだことが多かった」と釈明し、自分たちが“やらせ”を仕組んだわけではないということだろう。
製作陣もやはり、明確に2人の放送回に対して釈明せず、依然として疑問符として残っている。
ハム・ソウォンの言葉通り、ネット上の悪質な書き込みや根拠のない噂が、2人含む家族を苦しめ、悲しい気持ちにさせたということは十分理解できる。しかし、離婚を本気ではないにもかかわらず発表したということは理解しがたい。
実際、離婚発表後に公開した夫との穏やかな映像、明るく笑っている自撮り写真からは、家庭不和が感じられない。
『妻の味』での“やらせ問題”が沈静化し、話題にならなくなったことで、このように合理性が欠けた荒唐無稽な訴えで注目を集めようとしたのだろうか。
(記事提供=OSEN)
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