K-POPアイドルは中国で活動再開できるのか…8年ぶりの“禁韓令”解除への期待、二分化した業界の視線

2023年04月05日 K-POP

K-POPアーティストは8年ぶりに中国本土でファンに再会することができるだろうか。

【画像】「国に帰れ」“韓国式の挨拶”をしなかった中国人メンバーに批判殺到

新型コロナのパンデミック後、K-POPが急速にブームとなり、数多くのアーティストが北米やヨーロッパ、アジアを問わず大規模なワールドツアーを通じてファンと会っている。

しかし2015年にBIGBANGが5月の広州を皮切りに、8月の重慶まで中国11都市ツアーを行って以降、現在まで韓国アーティストが中国本土でコンサートを行った事例はない。

解除の期待が高まっているワケ

中国が2016年に韓国のTHAAD(サード、高高度防衛ミサイル)の配備に対する報復措置として韓国コンテンツの禁止令、いわゆる「禁韓令」(限韓令)を行い、K-POPスターの中国現地活動が事実上、阻まれたのだ。

(写真提供=SMエンターテインメント)NCT DREAMが3月24~25日、香港でワールドツアーを開催した

ところが最近、K-POP界には中国活動に対する期待の雰囲気がぐんと高まった。中国の文化観光部が「ウィズコロナ」に転換し、去る3月20日から外国の商業公演の受付および許可を再開。K-POP界でリ・オープニングに対する期待感が広がっているのだ。

最近、韓国のKB証券は中国のリ・オープニング関連の報告書を提出し、禁韓令解除の動きが本格化すれば、韓国アーティストが今年下半期から中国で公演を再開できると予想した。

また、中国のIT大手テンセント傘下のテンセント・ミュージック・エンターテインメントの高位関係者が最近訪韓し、主要芸能事務所と接触したことが知られ、その期待感に火をつけた。テンセント・ミュージック・エンターテインメントは「QQミュージック」「KuGouミュージック」など、中国を代表する音源プラットフォームを運営する業者だ。

禁韓令を経て生き残った厚い中国ファンを基盤に、韓国エンターテインメント業界の実績が改善される可能性が高くなる様子だ。

中国を行き来する航空便も増やす。韓国国土交通部は中韓航空協定上、運輸権数に応じて中韓路線の増便を締結し、2月末まで週62回運航していた航空便を10月末までに週608回に増便することで合意した。

そのためSEVENTEENのディエイトとジュン、NCTのクン、ウィンウィン、シャオジュン、ロンジュン、チョンロ、aespaのニンニン、(G)I-DLEのウギなど、中国人メンバーが所属するグループの中国本土公演の可能性に対する期待も高まっている。

(写真提供=OSEN)aespaニンニン

懐疑的な見方も存在

禁韓令によって直接的な交流は閉ざされたが、中国でK-POPの人気は依然として高い。中国ファンのK-POPアルバム購入は近年も着実に増加してきた。実際に2022年のK-POPアルバム輸出対象国の順位で、中国は5132万6000ドル(約66億円)で2位を記録した。

1位は日本で8574万9000ドル(約110億円)、3位はアメリカで3887万7000ドル(約50億円)だ。毎年増加傾向であるK-POPフィジカルアルバムの輸出額のなかで、堅調に2位を守る中国の実情を踏まえると、依然として中国国内に多くのファンが存在することがわかる。

去る3月31日に韓国コンテンツ振興院が主催した中国内韓流文化拡散のためのオンラインK-POPコンサートは、SUPER JUNIOR、EXOカイ、STAYCなどが参加しており、チケットは販売開始21秒で売り切れになるなど多くの関心を集めた。

(写真提供=YGエンターテインメント)BLACKPINKが1月13~15日、香港でワールドツアーを行った

ただし、懐疑的な見方も存在する。先立って数回にわたって禁韓令の解除の期待感からコンサートを準備したものの、苦難を経験したことがあり、慎重になるべきという声も根強い。また、大陸市場が再び開かれても、K-POPの中国依存度が以前と同じではないという話も出ている。

とあるK-POP界関係者は、「中国市場を眺める業界の雰囲気も大きく変わった。日本や中国などアジアに偏っていた2010年代は、禁韓令で被害が甚大だった。しかし以降、北米やヨーロッパ、東南アジア市場に積極的に参入し、中国に対する依存度を継続的に下げてきた」とし、「最近は中東地域でのK-POPブームが熱い。中国公演の道が開かれたとしても、以前のようにエンタメ業界が中国公演だけに邁進することはないだろう」と話した。

K-POP界では、BLACKPINKが今年1月に香港でワールドツアーを成功裏に終えたことを筆頭に、まずは中国本土ではなく、香港やマカオからコンサートが再開されるものと見ている。

KB証券のイ・ソンファ研究員は「一般的に公演の進行まで5~6カ月の時間が必要であり、上半期には中国アーティストの公演場貸館が大部分なされているため、下半期から本格的な中国本土公演が再開されると予想する」と見通した。

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