HYBEがK-POPモンスター企業へと生まれ変わることで業界の縮図を大きく描き換え、イ・スマンが推進してきたメタバース具現化などとのシナジーでK-POP市場にWin-Win効果をもたらすというのが一つ目の見方だ。
HYBEは今回のSMだけでなく、これまでPLEDIS、SOURCE MUSICなど様々なエンタメ企業を買収し、勢力を拡大してきた。
もちろん上記2社はSMほど大規模ではないが、最近ではラッパーのリル・ベイビー、HIPHOPグループのミーゴスらが所属するアメリカのQCメディアホールディングスも買収しただけに、HYBEとSMと世界的な影響力を発揮するゲームチェンジャーのような存在に飛躍するだろうという見方も多い。
これに伴い、今年カムバック予定のEXO、SuperMをはじめ、デビュープロジェクトを稼動中のNCTグループ(東京、ハリウッド、サウジ)などもHYBEの力添えを受け、さらに加速すると展望されている。
一方、K-POPの開拓者としてのプライドを持つSMの立場としては、自分たちの座をHYBEに奪われたと感じざるを得ないだろう。HYBEがSMの買収を終えれば、SMはHYBEによって運営される可能性が高いためだ。
これに対し、SMP(SM Music Performance)と呼ばれていたSMの独自色を失うのではないかという懸念の声も出ている。
あるSM関係者は「内部でも、HYBE買収後、SM理事陣の大規模な入れ替えがあるという話が出てきている」とし、「600人を越える役職員全員が混乱している状況だ。イ・スマンの選択に対する内部の反発も非常に多い」としている。
具体的なSMの行方は、3月に予定された株主総会以後、本格的に明らかになるだろうが、SM所属アーティストはそのまま維持される可能性が高いというのが業界の分析だ。
また別の関係者は「当面は既存SMアーティストの活動に大きな変化はないだろうが、グローバル活動と新人グループデビューなどにHYBEの影響力が及ばないわけはないだろう」と見通している。
そして2月10日午後には、SMの理事でプロデューサーのユ・ヨンジンが現経営陣によるイ・スマン総括プロデューサー排除に対して反対の立場を明らかにするなど、余波は当分収まりそうにないようだ。