その上で「映画には警告の意味もある」(キム・ゴク監督)と語るように、まず徹底したリサーチを行い、振り込め詐欺の実態を一から勉強したという。
そして「とても緻密で組織的」な犯人の手口や相手をだますために使われるシナリオも細部まで再現。劇中、振り込め詐欺組織の責任者で極悪非道なクァクを演じたキム・ムヨルも「(被害者がかかってきた電話を怪しんで)リコールしても、また電話が行き(犯人たちの)シナリオどおりに進む」と説明し、できるだけ現実的に描こうとした製作陣と俳優たちの熱演で、観る者を一気に物語に引き込んでいく。
また、「中国の閉鎖されたショッピングモールを改造しているという設定で、そこで欲望を抱く人々が詐欺を働く」というコンセプトのもとに作り上げられたコールセンター本拠地のセットも迫力満点で、監視者を演じたパク・ミョンフンも「コールセンターのセットがリアルで驚いた」と語る。
さらにピョン・ヨハンが、「アクションに感情を込めた」と身体を張ったアクションシーン撮影の様子も映し出される。「悪者を倒せるほどの肉体を作るためにアクション監督と厳しい訓練をした」と明かし、アクション監督も「ピョン・ヨハンさんが代役なしで演じた。キャラクターにピッタリで自己犠牲が徹底した俳優」と絶賛。
一方で、巨大な詐欺組織の総責任者クァクを演じたキム・ムヨルは「極悪だが魅力的」で二面性のあるキャラクターを怪演。ピョン・ヨハンとの激しいバトルも見どころで、「お互いのポジションが分かる。息がぴったりでした」と語り、撮影の合間には役柄を離れた二人の満足気な笑顔もみられる。
「映画の中であっても警告したかった」とピョン・ヨハンが熱く語る本作。日本にいる我々にとっても身近な犯罪の実態を暴くリアル犯罪アクションをスクリーンでお見逃しなく。
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