俳優イン・ギョジンが『海街チャチャチャ』への愛情を惜しみなく表した。
Netflixで好評配信中のドラマ『海街チャチャチャ』(tvN)は、韓国で去る10月17日に最終回を迎えた。
癒しを届けたストーリーやときめきを刺激したロマンスで、視聴者の週末の夜をより幸せにしてくれた作品だっただけに、放送終了への残念な声も大きかった。
なかでも特に注目を集めたのがイン・ギョジンだ。
作中で海辺の町・コンジンの最年少洞長チャン・ヨングク役を演じたイン・ギョジンは、チャン・ヨングクの持つ人間的な魅力を存分に引き立たせ、憎たらしく見えてしまうような部分も笑いに昇華させる熟練の演技を披露した。
イン・ギョジンの幅広い演技スペクトラムも、キャラクターの魅力を高めるのに大いに貢献した。純朴な愉快さから後悔の残る哀切さまでキャラの多彩な感情を伝え、視聴者にプレゼントのような時間を提供した。
特に、ヨ・ファジョン(演者イ・ボンリョン)に切ない愛を告白したシーンは深い印象を与えた。イン・ギョジンはチャン・ヨングクの本当の思いを限りなく流れる涙と切迫した感情で伝え、没入感をより倍増させた。
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このように、『海街チャチャチャ』という作品を“強力な柱”として支え続けたイン・ギョジン。
放送を終えて「“もっと上手くできたのに”などの惜しさは残るが、大きな愛を受けただけに“本当に幸せだった”という思いもあった」と話すと、「私にとって『海街チャチャチャ』は良い思い出だけをプレゼントしてくれた作品なので、いつまでも恋しく思うはずだ」と素直な思いを表した。
また、チャン・ヨングクというキャラクターを消化すべく意識したポイントを聞くと、「チャン・ヨングクは『海街チャチャチャ』の不器用だけど愉快な雰囲気が良く似合う人物だ。ヨングクをより面白く表現する方法について悩み、どうすればキャラクターを作品に溶け込ませられるかに重点を置いて演技した」と伝えた。チャン・ヨングクに対するイン・ギョジンの情熱と深い愛情が感じられる部分だ。
イン・ギョジンは最後に、『海街チャチャチャ』視聴者に感謝の思いを伝えた。
「海の道を照らす灯台のように、視聴者の皆さんの愛が『海街チャチャチャ』をより美しく輝かせてくれたと思う。多くの声援と関心を送ってくださったことに心から感謝したい。皆さんのおかげで撮影中はずっと楽しかったし幸せだった」
なお、イン・ギョジンの特別な存在感が光った『海街チャチャチャ』は、17日の最終回で自己最高視聴率12.7%を記録するなど、ドラマファンの期待を多く集めた作品となった。
以下、『海街チャチャチャ』放送を終えてのイン・ギョジンとの一問一答。
◇
―暖かい春と暑い夏が過ぎ、涼しい秋を迎えた。3つの季節を過ごした『海街チャチャチャ』の最後の撮影を終えた感想はどうか。
毎回、作品が終わるたびに万感が交差する。『海街チャチャチャ』も同じだ。「もっと上手くできたのに」「このときこうしたら良かったのに」などの惜しさは残るが、大きな愛を受けただけに“本当に幸せだった”という思いもあった。私にとって『海街チャチャチャ』は良い思い出だけをプレゼントしてくれた作品なので、いつまでも恋しく思うだろう。
―『海街チャチャチャ』の台本を初めて読んだとき、チャン・ヨングクの第一印象はどうだったか。また、キャラクターを具現するために特に重点を置いた部分は。
ややもすれば憎らしく見えるかもしれないと思った。初恋を忘れられないヨングクのために前妻のファジョンは悩んだし、意図しないところでファジョンを傷つけたからだ。こんな姿を見ていた視聴者も、私と同様にヨングクのことを考えていたのではないかと思う。
ただ、ヨングクは『海街チャチャチャ』の不器用だけど愉快な雰囲気が良く似合う人物だ。ヨングクをより面白く表現する方法について悩み、どうすればキャラクターを作品に溶け込ませられるかに重点を置いて演技した。
―「コンジンの最年少洞長」「親バカ」「波乱万丈なロマンスの主人公」など、チャン・ヨングクを説明できる修飾語は多い。多彩な一面を持つヨングクを演じながら難しかったことはあったか。
上記の質問のように、ヨングクは離婚した前妻の前で初恋を思い出し、しまいにはその愛を渇望するような行動も気兼ねなく表現する人物だ。これらのポイントを納得することが難しかった。ヨングクを理解していないことが演技に出てはならないので、自分なりの答えを見つけ出そうと努力した。
私の考えた内容が完全な正解とはなり得ないが、ヨングクはファジョンがもたらす安らかさに慣れていたからではないだろうか。親しい間柄だからこそ起こるミスのようなものだ。ファジョンに対する愛に遅れて気付いたのも一役買ったはずだ。こうしたヨングクの行動に対して自分だけの答えを探していく過程は、それなりに面白い記憶であり経験だった。
―チャン・ヨングクは登場するたびに視聴者の視線を奪う“シーン・スティーラー”としての役割を見事に果たした。ヨングクを演じて最も記憶に残った場面やセリフはあるか。
二つある。一つ目は第7話でヨングクが腰を痛めた場面だ。初恋相手チョヒとデートすると勘違いをしたヨングクははしゃいだ気持ちで準備していたが、結局トイレで滑って倒れてしまう。人生で一番カッコよく見せなければならない瞬間だったにもかかわらず、結局はチョヒとファジョンの助けなしには一歩も動けなくなってしまったヨングクを演じたときはとても面白かった。
実際の現場での楽しげな雰囲気が放送分でもよく表現されていて、今でも記憶に残っている。第14話でファジョンとの誤解を解き、新たな出発を知らせた場面もまた別の名場面として挙げたい。
―「ヨングクの顔を見ただけでも笑いが出る」という反応もある。家族の反応はどうだったか。
2番目の娘が「パパ、この前シャワー中に腰を痛めたでしょ?」と聞いてきたので、「それはドラマだからケガしてないよ」と答えた記憶が急に浮かんできた。それだけ、娘や妻の(ソ・)イヒョンも『海街チャチャチャ』のファンだった。イヒョンは「すごく楽しかった」と応援を送ってくれたので、撮影でも大きな力になった。
―イン・ギョジンがチャン・ヨングクに言いたいことは。
15年ぶりに自分の気持ちに気づいたヨングクにこんな言葉をかけてあげたい。「ヨングク、これまではどうしていたんだ?これからはファジョンと喧嘩せず幸せに暮らしなさい。わかった?」
―イン・ギョジンにとって『海街チャチャチャ』という作品はどのように記憶されるか。
私たちのドラマをとても愉快で面白いドラマ、悪党のいない純粋清浄ドラマだという話をよく聞く。私も皆さんのお言葉に深く共感している。撮影現場で美しい風景を見て感じてみると頭のなかがすっきりして、人の匂いがする話を覗いてみると心まで温かくなった。
さまざまな要素が調和した『海街チャチャチャ』は、私にとって無公害なドラマ、ヒーリングそのものとして記憶に残るだろう。
―最後に、『海街チャチャチャ』を愛してくださった視聴者に一言。
海の道を照らす灯台のように、視聴者の皆さんの愛が『海街チャチャチャ』をより美しく輝かせてくれたと思う。多くの声援と関心を送ってくださったことに心から感謝したい。皆さんのおかげで撮影中はずっと楽しかったし幸せだった。自分が良い演技をお見せできるまた別の作品でお伺いしたいと思う。
改めて、大きな力になってくれた方々に心から感謝したい。
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