韓国で俳優やプロデューサーの“地上波離れ”が深刻化。その理由とは?

2019年02月22日 話題 #韓国ドラマ

最近、「地上波ドラマをやりたがらない俳優が増えた」と芸能関係者たちは口を揃える。ところが、プロデューサーの間でもそのような傾向になりつつあるようだ。

某芸能事務所の関係者は、「地上波とケーブルとではドラマを準備するプロセスから違う」という。ドラマが飽和状態であるこのご時世、感覚的な要素でドラマファンを圧倒し、関心を集めても物足りないくらいだが、地上波のドラマは未だに古く、競争力が低いというのだ。

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ドラマ制作関係者は言う。

「以前は、俳優たちが地上波にこだわっていたので、tvNに出演してもらうためにはギャラを多めに支払うしかなかった。しかし、今はみんなtvNドラマにしか出たがらない。地上波のプロデューサーたちは、社内でモヤモヤしている」

ドラマのクオリティはもちろん、すべてのプロセスに注がれる時間と労力が大きく違うことを、俳優だけでなくプロデューサーも知っているからだ。

同関係者は、カメラや撮影チームに対する苦言を呈する。

「アングルをどのようにして撮るかは、演出者1人の問題ではない。撮影チームが上手くサポートする必要がある。例えば、緊張感のあるシーンの場合、いくら俳優の演技が上手くてもアングルが1つしかないと緊張感が落ちるのは当然だ。最近はほとんどのドラマがスピードと緊張感のために同じシーンを複数のアングルで撮り、場面転換も早い。それらを画面に詰め込むには、カメラが積極的に動く必要がある。俳優が走ると、カメラも一緒に走なければ、見る側に緊張感が伝わらない」

一例として、MBCで放送中の『アイテム』は、ジャンルものにも関わらず「朝ドラみたいだ」と関係者の間で不評だ。すでにtvNやOCNなどでは、海外ドラマと比べても見劣りしないクオリティのドラマが続々作られているため、視聴者からすればクオリティの低さが歴然なのだ。

もう1つの問題は、地上波の撮影チームメンバーが最近活躍中のプロデューサーらよりも経歴の長い先輩であることだ。

前出の関係者は「局内のカメラ監督がプロデューサーよりはるかに先輩の場合、いろんな問題が発生する。カメラ監督は昔ながらのやり方にこだわるし、先輩であるため、プロデューサーの手に負えないのだ」

だからといって昔ながらのカメラ技法が間違っているともいえない。昨年ヒットした『よくおごってくれる綺麗なお姉さん』(JTBC)のアン・パンソクPDは、長回しやロングショットなど、自分ならではの演出スタイルで大衆の心を掴んだ。

アンPDは、数年前にMBCを離れ、外注プロデューサーとして活動したため、トレンディな感覚を維持できたのだという人もいる。

とある芸能関係者は語る。

「地上波に長くいた人たちは、ジャングルのような最近の生態をまだ体感できていないようだ。安全地帯にいるため、あえて知る必要もないかもしれない。そうするうちに彼らの競争力は落ち続けるだろう」

可能性のある若いプロデューサーたちは、自らの競争力のためにも地上波を離れるしかないのが現状だ。実際に、最近、MBCのイ・ドンユン、チェ・ビョンギルPDが辞意を表明し、移籍を予定している。

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