韓国の人気ドラマは「ブラックな制作現場」で作られている!

2019年02月18日 話題 #韓国ドラマ

韓国の地上波テレビ局のプロデューサーがこう語っていた。

「スタッフがドラマの撮影中に倒れて応急室に運ばれていくのはよくあることなので、特に誰も気にすることはない」

この言葉は、制作現場のスタッフの過労が常態化していることをうかがわせる。

(関連記事:ドラマ『最高の離婚』韓国版リメイク、撮影スタッフが「劣悪な労働環境」訴え

韓国ではひとつのドラマを完成させるまでに、カメラや音声、照明、メイクなど、多いときで約80人ものスタッフが携わる。

しかし、放送局の社員はごくわずか。そのほとんどが、ドラマ制作会社に所属する非正規社員か、フリーランスの人間だ。

こうしたスタッフたちは、放送局から事故やケガなどに対するしっかりとした補償も受けられないまま、過酷な労働を強いられる。

実際、韓国では、ドラマの制作環境に大きな問題があると以前から指摘されてきた。その主な原因として挙げられていたのは、「あまりに無理な撮影スケジュール」と「出演俳優に多額のギャラが支払われることによる制作予算の偏重」などだ。

さらに、その他の要因もある。

日本の場合、ドラマの放送は週1回で、1話あたりの放送時間は46分。ほとんどのドラマが全10話で構成されている。

一方、韓国ドラマは週2回の放送が主流で、2話合計の放送時間は120~140分。ドラマの長さも16話か24話というのが一般的だ。ワンクールで放送されるドラマの合計時間は、多いときで韓国は日本の5倍にも及ぶ。

また、韓国ではテレビ番組の途中でCMを入れることができないため、広告収入も日本に比べて格段に少なくなり、番組制作に掛けられる予算も限られてしまう。しかも、その予算の多くが、主役スターの報酬に使われてしまうのだ。

その結果、ひとつの作品を完成させるまでに多くの労働力を必要とするにもかかわらず、予算などの制約から投入できるスタッフの数は限られてしまう。さらに、経費節減のために短期間での集中的な撮影日程が組まれる。

そうした状況が、過酷な労働環境を生み出している。その中から大ヒットするようなドラマが生まれているのは事実だが、はたしてそれがいつまで続くだろうか。

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