タレントのパク・スホンの出演料などを横領した疑いで裁判を受けていた実兄が、控訴審判決で法廷拘束された。
12月19日、ソウル高裁刑事7部(イ・ジェグォン部長判事)は、特定経済犯罪加重処罰法違反(横領)の罪で裁判にかけられたパク・スホンの実兄パク氏に対し、懲役3年6カ月を言い渡し、法廷拘束した。
また、共に起訴されていたパク氏の妻、イ氏についても、1審の無罪判決を覆し、懲役1年6カ月、執行猶予2年を言い渡し、社会奉仕120時間を命じた。
パク氏は、2011年から2021年までパク・スホンのマネジメントを専任し、その過程でパク・スホンの出演料や会社資金など約62億ウォン(約6億2000万円)を横領した疑いで起訴された。妻のイ氏も一部の横領に加担した疑いで在宅起訴されていた。
当初、起訴状に記載されていた横領額は61億7000万ウォンだったが、検察は1審の審理過程で重複した内訳などを除くと、約48億ウォン(約4億8000万円)を横領したと判断し、起訴内容を変更した。
2024年2月、ソウル西部地裁の1審では、法人カードを通じた会社資金21億ウォン(約2億1000万円)の横領容疑のみを有罪と認め、パク氏に懲役2年を言い渡した。当時は逃走や証拠隠滅のおそれがない点などを考慮し、パク氏は法廷拘束されなかった。
パク・スホンの個人口座4つを管理しながら、約16億ウォン(約1億6000万円)に相当する個人資金を私的に流用したとされる部分については、家族のために使用した可能性があることや、パク・スホン本人が管理を任せていた点などから、横領の故意があったと断定するのは難しいとし、無罪となった。
また、妻のイ氏も1審では無罪と判断された。
しかし今回の2審ではパク氏の刑量がさらに重くなり、法廷で身柄を拘束された。
裁判部は量刑理由として、「被告(パク氏)の犯行手口に照らすと、罪質は非常に悪質だ」と判断した。これまで一貫して、会社運営に関与していなかった、法人カードを私的に使用してはならないことを知らなかったなどと弁明に終始してきた点も、不利な量刑要素として考慮された。
妻イ氏に対しても、1審では法人カードの私的使用について無罪と判断していたが、2審でこの点を有罪と認定した。
パク・スホンと実兄夫婦による“骨肉の争い”は、両親を巻き込み、大きな騒動として注目された。
特にパク・スホンの両親は、裁判を通じて実兄側に立つ姿勢を示した。2023年10月13日の公判では父親が法廷に立ち、「私は30年以上、(パク・)スホンの世話をしてあげた。部屋にあるコンドームまで全部片付けてあげた」「スホンはお金を使いすぎた。それが不満だった」「スホンは女が大好きだ」などと発言し、その証言内容が波紋を広げた。
◇パク・スホン プロフィール
1970年10月27日生まれ。1991年の第1回KBS大学ギャグ祭を通じてコメディアンとしてデビュー。同ギャグ祭出身の4人で活動し、巧みなトーク術や長身のビジュアルで愛された。KBSのバラエティ番組をはじめ様々な番組でMCを務め、国民的なタレントに。2021年4月、自身の出演料などを長年横領してきたとして、マネジメントを務めていた実兄夫婦を告訴。同年7月に23歳年下のキム・ダイェと結婚した。
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