施術中に有名女優の顔に2度のやけどを負わせた皮膚科医に対し、約490万円の賠償を命じる判決が下された。
3月20日に韓国メディア『ヘラルド経済』が報じたところによると、ソウル中央地裁・民事18部(パク・ジュンミン部長判事)は、女優A氏がソウル瑞草区(ソチョグ)の皮膚科医B氏を相手に提起した総額2億ウォン(日本円=約2041万円)規模の損害賠償請求訴訟において、B氏の過失を認め、A氏に4803万9295ウォン(約490万4000円)を賠償するよう命じた。
2012年より演技活動を始めたA氏は、『紳士の品格』や『恋愛の発見』などのドラマで主演を務めるなど、複数の作品に出演したことで知られる有名女優だ。
そんなA氏は2021年5月頃、皮膚科で睡眠麻酔を受けた状態で3種類の施術を受けていた際、左頬に傷を負った。受けた施術は超音波やレーザーなど、いずれもシワ改善効果があるとされるものだ。
ただ、皮膚科医のB氏はA氏の顔に傷ができたことをわかっていながら、湿潤バンドエイドを貼る以外に特別な措置を執らなかったという。A氏は当時、2度のやけどを負ったと伝えられている。
その後、A氏は2021年から別の病院などに通院し、50回にわたり火傷治療や傷跡の修復手術を受けているが、傷は現在も完全には治っていない。
時間の経過とともに徐々に良くなってきているとはいえ、2~3mの近さでは他人から見えてしまうほどには傷跡が残っているという。
この傷の影響で、A氏はドラマ撮影に支障をきたした。施術直後に撮影を行った週末ドラマでは、傷跡を消すためにCG処理が必要となり、その費用として955万ウォン(約97万円)が支払われたとされている。
地裁は「診療記録に各施術の強度やエネルギー供給・伝達を調整したという内容がない。B氏は睡眠麻酔前にA氏の反応(熱感、痛み)を確認し、施術の強度を調整しなかった」として、B氏の過失を認めた。
また、「A氏は容姿に対する評価が経済的価値に直結する俳優である点も考慮した」としつつも、A氏が提起した2億ウォンではなく、4分の1に相当する約5000万ウォンの賠償にとどめる判断を下した。
この判決に対し、A氏・B氏ともに控訴しなかったため、当該の判決がそのまま確定した。
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