「アイドル時代は人間らしくなかった」日韓で絶大な人気誇ったKARAスンヨンが語った変化と後輩へのエール

2025年03月12日 話題 #KARA

「アイドルとして活動していたときは、人間らしさを感じる余裕がありませんでした」

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「仕事と睡眠だけの毎日で、生きているという実感がなかった。自分の感情を見つめることさえできませんでした」

そう語るハン・スンヨンの表情は、アイドル時代とは打って変わって穏やかだった。トップアイドルとして駆け抜けた日々から一転し、現在は女優として自分の時間も大切にしながら活動している。

3月10日、ソウル・麻浦(マポ)区のカフェで、本紙『スポーツソウル』のインタビューに応じたハン・スンヨン。「今やっと、自分の人生を生きていると感じられます。幸せです」と語り、「もちろん、あの頃の経験があったからこそ、今の自由を感じることができるのだと思います。でも、今の方がずっといいですね」と笑顔を見せた。

もともとは役者志望だったスンヨン

ハン・スンヨンは2000年代、韓国はもちろん、日本でも絶大な人気を誇ったKARAのリーダーとしてグループを牽引した。チャンスを逃さないよう、がむしゃらに走り続けた。しかし、現在の女優としての活動は当時とは異なり、作品の合間にしっかりと休息をとることができるという。

ハン・スンヨン
第21回ソウル歌謡大賞に登場したハン・スンヨン。2012年1月撮影。

「美味しいものを食べる時間が一番幸せですね。人気のお店に並んでいる時間ですら楽しいんです」と、今の穏やかな日常を楽しんでいる様子を見せた。

今もKARAのイメージが根強いハン・スンヨンだが、もともと子役として芸能界入りした過去を持つ。演技への関心が強く、慶熙(キョンヒ)大学の演劇映画科に進学している。

女優としてのキャリアを積むなかで、「良い役者であるためには、まず良い人間でありたい」という考えに至ったという。

「観客に共感されるキャラクターを作るためには、自分自身が良い人間でなければいけないと思います。視野が狭いと、演じるキャラクターもそうなってしまう。だからこそ、健康的に、前向きに生きることを大切にしています」と、演技に対する真摯な思いを語った。

彼女の役者としてのキャリアは、1996年のドラマ『路上の女』(MBC)で始まった。以降、『星に願いを』(97)、『チャン・オクチョン』(13)に出演し、『恋のドキドキ・シェアハウス ~青春時代~』(16~17)では主演も務めている。

そして、初の動画配信サービス制作ドラマとして挑んだのが、TVINGの『春画恋愛物語』だ。彼女は劇中、知性と美貌を兼ね備えた名家の令嬢イ・ジウォン役を演じている。

ハン・スンヨン
(写真=TVING)『春画恋愛物語』ではイ・ジウォン役を演じた

ただ、実際の性格とは正反対のキャラクターだという。イ・ジウォンは、東方国の王子ヨル(演:キム・テク)との政略結婚を巡り、一歩も引かない強気な女性。結婚に関して女性の意思が尊重されない制度に異議を唱え、堂々と反論する。

「実際の私は、あんなにストレートに意見を言えるタイプじゃないです(笑)。いつも遠回しに伝えるほうなので、どういう気持ちでセリフを言えばいいか、かなり悩みましたね」と振り返った。

後輩へのエール

このように、女優として新たなキャリアを築いているハン・スンヨン。とはいえ、KARA時代の経験から、現在の“後輩”たちにも特別な思いがあるようだ。

「今のアイドルたちは本当に完璧ですよね。私たちがデビューした頃とは比べ物にならないほど、大変な環境で活動していると思います。私たちは韓国と日本での活動だけでも精一杯でしたが、今のアイドルたちはもっと若い頃から、もっと多くの国で活動している。その忙しさは想像もできません。どうか、健康に気をつけながら長く活動してほしいですね」と、気遣った。

そんな彼女もまた、KARAとして現役アイドルだ。グループ活動と並行して、女優としての新しい作品も検討しているという。

ハン・スンヨン
(写真=YGエンターテインメント)ハン・スンヨン

「すべての作品には、それぞれの縁があると思います。自分に合う役もあれば、そうでない役もあります。チャンスをいただける限り一生懸命頑張りたいですね。KARAの活動ともバランスよく進んでいるので、これからも挑戦を続けたいです。まだ演技の現場では緊張しますが、少しずつ予測できる力がついてきた気がします」と笑顔を見せた。

アイドルとしても、女優としても新たなステージへ進むハン・スンヨン。彼女のこれからの活躍に期待が高まる。

◇スンヨン プロフィール

1988年7月24日生まれ。本名ハン・スンヨン。韓国・ソウル出身。身長160cm。2007年にKARAのメンバーとしてデビューし、グループ内ではリードボーカルを務めた。デビュー当時はまったく売れず、さらにメンバーの脱退と崩壊の危機にあったKARAを存続させるために、どんな番組にも多く出演。グループの名前を売ろうと、バラエティ番組で全身泥まみれになる場面もあったという。そのためファンの間では「努力の人」や「苦労人」として知られている。

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