一時は同じ釜の飯を食った仲だったが、今は互いに引き返せない川を渡ってしまった。
その戦いも半年近くになる。HYBEとミン・ヒジン前ADOR代表の争いだ。疲労度のある争いは最近、再び再点火された。
HYBE新人グループILLITのNewJeans盗作疑惑が再び論争となっているからだ。大人たちの戦争に召喚されたガールズグループへの憂慮が大きくなっている。
ソウル中央地裁・民事合議50部は10月11日、ミン前代表がHYBEを相手に出議決権行使など仮処分の審問期日を進めた。
先立ってADOR理事会は8月27日、ミン前代表を解任し、キム・ジュヨン社内理事を新任代表に選出した。
これによってADORはミン前代表が社内理事職を維持することはもちろん、NewJeansのプロデュース業務も引き続き続けると明かしたが、ミン前代表は不当な契約だと反発した。
ミン前代表の代理人は、HYBEが株主間契約を違反してミン前代表を不当に解任しただけに、ADOR臨時株主総会を開いて彼女を代表に再選任しなければならないと主張した。
代理人は「事件の発端はHYBEの裏切り」とし、「ミン前代表はパン・シヒョクHYBE議長の提案を受け入れ、ADORを設立してNewJeansをデビューさせたが、HYBEは約束とは違う不当な態度と牽制をした」と強調した。
これに対してHYBE代理人は「株主間契約が解除されたためにミン前代表の要求を履行する義務がない」と対抗。代理人は「ミン前代表はADORを離脱するために専門家を迎え入れ、具体的な計画を立てていた」とし、「それは想像だと主張するが、緻密に計算された現実的アプローチだった。根本的に信頼関係が破壊された」と主張した。
裁判所は来る10月25日までに双方の追加意見を受けた後、できるだけ早く決定したいと明かした。
特にミン前代表側は、HYBEが所属ガールズグループのILLITを企画していた当時、「NewJeansの企画案の提供を受けてコピーした」という内部職員の情報提供を公開した。
ILLITのNewJeansコピー疑惑は最近、国政監査の質疑に登場するほど国民の関心を集めた。
このような疑惑に対してILLIT所属事務所のBELIFT LABは全面的に否認し、「時期的において、ILLITのコンセプトに影響を及ぼすことはできない」と反論している。
このような「大人たちの戦い」に巻き込まれたNewJeansとILLITに対する憂慮の声もやはり高い。ともに未成年のメンバーが多く、敏感な年頃のアーティストたちのメンタルケアについて、ファンたちが憂慮も混ざった声が止まない状態なのだ。
ミン前代表は記者会見でILLITがNewJeansをコピーしたとし、「ミン・ヒジン風」「NewJeansの亜流」という表見まで使って論争を巻き起こした。
デビューして2カ月しか経っていないILLITは、瞬く間に先輩グループをコピーした“罪人”になってしまった。
デビュー曲で幸先の良いスタートを切ったはずだが、盗作問題によって対外的な活動を自制せねばならなくなった。ILLITは来る10月21日にカムバックを予定しているが、コピー問題がふたたび再燃しないか心配するファンは多い。
NewJeansの状況もあまり芳しくはない。ミン前代表に対して、「自分と会社のトラブルにアーティストとその家族を巻き込んで盾にしている」という批判に直面している。
NewJeansのメンバーたちは先月11日のユーチューブ生配信を通じて直接HYBEを批判したが、ミン前代表を「NewJeansママ」と称して一心同体のようにしてきたので、メンバーたちの発言を純粋に受け止めるのは難しい。
また、人気ガールズグループになったNewJeansだが、今回の件が表沙汰になって以降は様々な活動の度にミン前代表の解任イシューがレッテルのようについて回るようになってしまった。
アイドルには不必要な否定的なイシューであることは間違いなく、ファンたちは「大人たちの争いの中、子供たちは誰が守るのか。子供たちに何の罪があるのか」と数ヶ月間以上も気を揉んでいる。
とある業界関係者は「2つのガールズグループは敵対的なフレームをかぶせられ、ファンの間で葛藤も起きていて残念だ。デビューして間もないグループであるだけ、現在の法的争い以降も彼女たちの今後の活動のためにも感情的な争いを最大限自制することが必要だ」と指摘している。
■【画像】「NewJeansの亜流」とされたILLITは本当に似ているのか
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