韓国映画祭で“LGBT映画”排除の動き、主催する女性団体は補助金拒否・人権委への訴えで対抗

2024年09月04日 話題

性的少数者を扱った映画が韓国映画祭で相次いで上映禁止となっているなか、映画祭を主催する団体はさまざまな方法で対抗している。

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仁川(インチョン)市は昨年7月、仁川女性映画祭でクィア映画(登場人物がLGBTQ+、当事者が制作した映画を指す)を上映すれば、補助金を支給しないと決定した。

これに対し、映画祭を主催した仁川女性会は、市を相手に基本権と平等権、表現の自由を侵害したとして、ユ・ジョンボク仁川市長と前女性政策課長を相手に人権委に陳情を提起した。

その後、人権委は仁川市の処分が差別行為だと判断。人権委関係者は9月3日、本紙『スポーツソウル』の電話取材で、「仁川市に当該内容に関する決定文を作成中だ。近いうちに仁川市に勧告する予定だ」と明らかにした。

このような動きは仁川だけではない。大田(テジョン)市は8月30日、女性団体連合に大田女性映画祭(9月5~6日開催)で上映される予定だった『娘について』をほかの作品に替えるよう要求した。

補助金を拒否

大田市は団体に送った公文書で、「地方の補助金事業で遂行されている大田女性文化祭上映作品の一部に対して、言論報道と嘆願提起など論難がある」とし、「地方補助金の補助事業という目的に符合するよう、コンテンツ変更など補完して施行することを協力要請する」という立場を伝えた。

『娘について』は、性的マイノリティの娘を持つ中年療養保護士の物語。原作は第36回シン・ドンヨプ文学賞を受賞した同名ベストセラー小説で、釜山(プサン)国際映画祭やソウル独立映画祭など多数の映画祭で賞を受賞した。

娘について
(画像=映画配給会社チャンラン)映画『娘について』ポスター

大田女性団体連合は、大田市が『娘について』の上映中断を要求すると、補助金の受領を拒否し、自主的にイベントを一部縮小して進行することにした。

大田女性団体連合は声明を通じて、「上映作の検閲は表現の自由を侵害しており、嫌悪を助長する一部キリスト教界の嘆願を理由に挙げるのは嫌悪行政であり差別行為」として、「私たちは上映を撤回せず、検閲と嫌悪を傍観・同調することに反対するので、補助金を全額拒否する」と明らかにした。

大田女性映画祭
(画像=大田女性映画祭)映画祭ポスター

大田女性団体連合の関係者は電話取材で、「毎年クィアをテーマにした映画を上映してきた。このような対応は今回が初めて。人権委に関連内容を提訴する計画」と明らかにした。

なお、映画界はこのような動きに対して懸念の声を示している。映画界関係者は「このようなことが起きないようにしなければならないのが地方自治体の役割だが、保護膜になってあげられず、クィア映画を検閲している」と指摘した。

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