2023年も残すところあと2日。
今年の世相を表す漢字では「税」が選ばれ、加えて物価高や政治不信など、ストレスフルな日々を送った人も多かったのではないだろうか。
そんな1年を締めくくる前に、韓国のアクション映画でスカッとしてみてはいかがだろうか。“今年のストレスは今年の内に”ではないが、年末休暇で時間を持て余した際に鑑賞してみてほしい。
まず紹介したいのが、剛腕刑事が力で悪人を懲らしめる大人気シリーズの2作目『犯罪都市 THE ROUNDUP』だ。
本作は、犯罪者の引き渡しのためにベトナムへと向かった剛腕刑事マ・ソクト(演者マ・ドンソク)が、現地で暴虐の限りを尽くしている冷酷な凶悪犯罪者カン・ヘサン(演者ソン・ソック)の存在を知り、捜査を開始するというストーリー。本国ではコロナ禍の2022年夏に公開されたが、2日目で観客動員数100万人、4日目にして200万を突破するほどの人気ぶりを見せた。最終的には約1269万人を動員し、同年の観客動員数1位に輝いている。
前作よりもスケールアップしたアクションシーンはもちろんのこと、マ・ドンソクのデカすぎる肉体を敢えて“狭い空間”に閉じ込めたラストバトルは圧巻。凶悪犯に向けて放たれる破壊力抜群のパンチが、見る者にカタルシスをもたらすこと間違いなし。
もはや凶器といっても差し支えない腕で、悪者をバッタバッタと成敗する警察官が、現実にいたらいいなと思ってしまう。2024年2月には、青木崇高、國村隼が出演するシリーズ最新作『犯罪都市 NO WAY OUT』の日本公開が決まっている。
続いては、最先端のVFXが魅力のノワール・サイキック・アクション『THE WITCH/魔女 増殖̶』。前作『THE WHICH/魔女』の主演は『梨泰院クラス』で知られるキム・ダミが務めたが、続編では1408倍のオーディションを勝ち抜いた新人女優シン・シアが主人公に抜擢されている。純粋さと並外れた破壊力という二面性を持つ少女を見事に演じて見せた。
そして『ウ・ヨンウ弁護士は天才肌』でブレイクしたパク・ウンビン、5年ぶりのスクリーン復帰となったイ・ジョンソク、『母なる証明』など多くの作品に出演してきたチン・グら実力派が新人女優の脇を固めている。
見どころは最先端のVFXを駆使したスタイリッシュなバトルシーン。『魔女』と銘打っているものの、杖から魔法が放たれるわけではなく、ドラゴンボールを彷彿とさせるハイスピードバトルが展開される。
なお、前作の主人公ク・ジャユンを演じたキム・ダミも登場するのだが、ジャユンと少女は一体どのような関係性なのか。本シリーズは“魔女ユニバース”を予告しており、その謎は今後の続編でつまびらかになる見通しだ。
最後に紹介するのは、今年『マーベルズ』でハリウッドデビューを果たした人気俳優パク・ソジュン主演の『ディヴァイン・フューリー/使者』。今年は名作ホラー『エクソシスト』のリブート作品『エクソシスト 信じる者』が日本でも公開されたが、『ディヴァイン・フューリー』は従来の心霊映画とは一線を画す。
というのも、パク・ソジュン演じる主人公のヨンフは、総合格闘技のチャンピオンという経歴を持つエクソシストで、腕力で霊を退治するのだ。右手に刻まれた聖痕に導かれ、ベテランエクソシストのアン神父(演者アン・ソンギ)と出会い、ソウルで暗躍する闇の司教との戦いに身を投じていくこととなる。
不慮の事故で瀕死の重傷を負った父のため、教会で必死に祈ったものの好転せず、父を亡くしてしまうという凄絶な過去を持つヨンフ。このことから、神への信仰を捨て、神を憎むこととなった。
そんなヨンフが過去を乗り越え、師匠であるアン神父の司祭服をまとい、闇の司教ジシン(演者ウ・ドファン)との戦いに臨むシーンは、もはや少年漫画。司祭服にレザージャケットを合わせ、大型バイクで疾走する姿も、これまでにないエクソシスト像を表現しているといえる。
エクソシストが題材とはいえ、アクション要素が強いため、ホラーが苦手という人も観やすいはずだ。
いずれにせよ、無条件に新年はやってくる。今回紹介した3作品は、いずれもストリーミングサービスで配信されているので、2024年の気持ち良いスタートを切るために一度鑑賞してみてはいかがだろうか。
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