波紋が続くとヒチョルは、自身の個人チャンネルに「私の考えの是非を離れ、荒々しい悪口と低俗な表現を乱発し、自分に甘く他人に厳しい姿をお見せした点を謝罪申し上げる」と頭を下げた。
しかし「校内暴力と特定サイトに対して悪口を言ったことは、いくら振り返っても私の誤りはないと思う」と付け加え、再び議論を巻き起こした。
校内暴力を強く非難したヒチョルの所信は、尊重されるべきだろう。ただ一部から、彼が校内暴力の加害者と名指しされたユーチューバー、ハヌルの結婚式の司会を昨年10月に引き受けていたことを指摘された。
ハヌルは過去、自身が運営していたショッピングモール職員にパワハラをしたという疑惑と、学生時代の校内暴力疑惑で議論の中心に立った経緯がある。当時、ハヌルは議論が激しくなると「幼い頃に分別なく行動した過去が本当に恥ずかしくなる。幼い頃、私の行動と言動で傷ついた皆様に心より謝罪申し上げる」と明らかにした。
ハヌルは謝罪したものの、同日のヒチョルの発言は前後のつじつまが合っていないという点で批判の声が高まっている。
さらに大きな問題はファンに対する無礼さだ。
ヒチョルは2018年にインドネシアで開かれた「アジア競技大会」の閉幕式メイン舞台に参加しなかった理由について、チェグンの誕生日パーティーに参加するためだったと明らかにし、ファンの大きな失望を買った。
当時の現地でのSUPER JUNIORの人気は、今のBTS(防弾少年団)に劣らなかった。インドネシアのジョコ・ウィドド大統領が直接乗り出して、「インドネシアだけでもSUPER JUNIORファンが1000万人を超えるだろう」と発言したりした。そのため「SJ外交」という言葉が公然と出回るほどだった。
大多数のSUPER JUNIORファンがヒチョルの公演不参加の理由を2006年の交通事故の後遺症のためと容認していた状況で、今回の発言は、これまで彼の所信を支持してきた国内ファンはもちろん、彼を待つ海外ファンにも失望感を抱かせた。
ヒチョルだけではない。所属事務所HOOKエンターテインメントとの紛争中に、恋人である女優イ・ダインとの結婚を発表した歌手兼俳優のイ・スンギもやはり所信の悪影響を受けている。
イ・スンギは2022年12月にHOOKエンターテインメントが一方的に入金した精算金50億ウォン(約5億円)のうち、訴訟金額を除いた残り全額を寄付するという意思を明らかにし、「誰かが流した汗の価値が誰かの欲に不当に使われてはならないということ。これは私にできる最善の使命だと思った」という所信を明らかにした。
しかし一部のオンラインユーザーらは、イ・スンギの義父になるイ・ホンホン氏、義母になる『チャングムの誓い』出演女優のキョン・ミリの夫婦が関与した2016年の株価操作事件に言及し、自分に甘く他人に厳しいのではないかと指摘した。
当時、イ・ホンホン氏は会社が有償増資をする際、香港系資本が投資するなどの好材料となる内容を虚偽公示し、株価を浮揚する手法で数十億ウォン(数億円)台の不当利得を得た容疑を受け、2018年に懲役4年、罰金25億ウォン(約2億5000万円)を宣告された。
翌年の控訴審で無罪を宣告されたものの、同じ会社の大株主だったキョン・ミリも同時に議論の的となった。
被害を受けた人々は「被害者の血の涙を考えてほしい」「当時の事件でひとつの家族がばらばらになった」と苦言を伝えた。イ・スンギとキョン・ミリ側はそんな叱責に、これといった反応を示していない。
堂々とした所信がブーメランとなったトップスターの2人。ここから逆転はあるのか、注目したい。
◇ヒチョル プロフィール
1983年7月10日生まれ。韓国・江原道出身。Label SJ所属。SMエンターテインメントで約3年間トレーニングを受け、2005年のドラマ出演によって芸能界入り。それから8カ月後にK-POPグループSUPER JUNIORのメンバーに加わった。韓国芸能界きっての美形顔と自由奔放な性格の持ち主。その個性的なキャラクターがバラエティ番組で生かされ、高い知名度を誇るようになる。日本のサブカルチャーのオタクとして有名。2020年1月にTWICEモモとの交際を認めたが、2021年7月に破局した。
◇イ・スンギ プロフィール
1987年1月13日生まれ。2004年にソロアルバム『The Dream Of A Moth』でソロ歌手としてデビューした。歌手のみならず、バラエティや俳優業でも頭角を現し、マルチタレントとして活躍。オーディション番組『PRODUCE 48』ではメイン司会役を務めた。主な出演作にドラマ『華麗なる遺産』『キング~Two Hearts』『花遊記』『Vagabond/バガボンド』などがある。