「MeToo(ミートゥー)」騒動の渦中で突然この世を去った俳優チョ・ミンギさんの妻で、メイクアップアーティストのキム・ソンジンが、夫の死から約7年ぶりに近況を伝えた。
しかし、彼女の番組出演をめぐってネット上では賛否が割れている。
キム・ソンジンは最近、バラエティ番組『ジャスト・メイクアップ』(原題、Coupang Play)に参加者として出演した。番組ではビューティーユーチューバーのRISABAEとメイクアップアーティストのイ・ジンスから審査を受けることになったが、メイクの説明を始める前に涙を流し、注目を集めた。
それを見たRISABAEも思わず目を潤ませた。
実は2人の間には特別な縁があった。RISABAEがメイクアップショップで働き始めた当時、その店の代表こそキム・ソンジンだったのだ。RISABAEは「私がショップに初めて入社したとき、代表はキム・ソンジンさんだった。今はこうして同じステージに立っているということが、たくさんの感情を呼び起こした」と語った。
キム・ソンジンもインタビューで「お互いに昔の記憶がよみがえったのだと思う。その記憶はこれからも残るし、その感情が涙につながったようだ。最近はショップの運営ばかりしていて、実際のメイクアップは長く休んでいたので自信はなかったが、体で覚えたことは絶対に忘れない」と、久しぶりの復帰への思いを語った。
この日の審査結果でキム・ソンジンは、RISABAEとイ・ジンスの両者から不合格の判定を受け、惜しくも番組を去った。しかし、放送後はむしろ彼女の存在感が一層際立った。
夫チョ・ミンギさんの“連座”が影を落としたからだ。
韓国では2018年2月、文化芸術界全体で権力を利用した性的被害を告発する「MeToo運動」が広がった。そのなかで清州(チョンジュ)大学の学生たちが、演劇学科の教授だったチョ・ミンギさんからセクハラを受けたと相次いで告発した。
被害者たちは処罰を求め、当初は否認していたチョ・ミンギさんも、騒動発覚から8日後に謝罪文を発表した。
しかし彼は、警察の取り調べを3日後に控えた2018年3月9日、自宅近くで突然この世を去った。享年52歳。捜査は「公訴権なし」として終了した。
この出来事でチョ・ミンギさんの家族も深い苦しみを味わった。特に妻のキム・ソンジンは、同年11月に夫の墓を訪れ誕生日を祝う写真をSNSに投稿したところ、非難を浴びたこともあった。
今回の出演についても、一部の視聴者は「個人的な痛みを乗り越え、勇気を持って復帰した姿に感動した」と応援のメッセージを寄せる一方で、「夫が『MeToo騒動』の末に極端な選択をした事件がまだ記憶に生々しいのに、家族のバラエティ復帰は不快だ」と否定的な反応も見せている。
キム・ソンジンは本来の専門分野であるメイクアップアーティストとして舞台に立ったが、「チョ・ミンギの家族」というレッテルからは、いまだに完全に自由になれないようだ。
(記事提供=OSEN)
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